マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均67円安と続落 来週は米日の金融政策決定会合に注目
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は67円安の1万6601円と続落しました。TOPIXやJPX日経400も下落した一方で新興市場のマザーズ指数は小幅に上昇しました。昨日の米国市場が小幅安となったことを受け、日経平均は30円安と小安く寄り付きました。本日の日経平均は日中大きく下げ幅を広げる場面がありましたが、引けにかけては値を戻す展開でした。寄り付き後に150円安近くまで下げ幅を広げた日経平均ですが、前引けは81円安まで下げ幅を縮めました。後場寄り後に再び下げ幅を広げた日経平均は、13時前に本日の安値となる172円安をつけました。ただ日経平均はその後引けにかけて下げ幅を縮める展開となり、結局67円安まで値を戻して大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆4548億円と2兆円を上回りましたが、3ヶ月に1度のメジャーSQ日にしては低水準となりました。また、東証33業種は空運業、精密機器、金属製品、医薬品の4業種のみが上昇して残る29業種は下落しました。中でも鉱業、鉄鋼、石油石炭製品、非鉄金属の4業種は2%を超える下落となりました。なお、日経平均先物および日経平均オプションのSQ値は1万6639円11銭でした。
2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は上げ下げまちまちでした。東証1部の売買代金トップのトヨタ自動車(7203)は0.4%高となったほか、三菱UFJ(8306)やKDDI(9433)も小幅高となりました。一方、売買代金2位のソフトバンクグループ(9984)が1.8%安、三井住友(8316)が1.3%安などとなっています。材料が出たところでは、ヤフー(4689)によるTOBおよび資本業務提携が発表されたイーブックイニシアティブジャパン(3658)はストップ高となりました。なお、ヤフーは小幅に下げています。また、イーブックイニシアティブジャパンの筆頭株主であるクックパッド(2193)も7%高となっています。5月の既存店売上高が前年同月比2.3%増加したアミューズメント施設を展開するラウンドワン(4680)は、今後の業績改善が期待されて9.2%の大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
今週の日経平均は終わってみれば週間で40円安と極めて小さい値動きとなりました。来週は14日・15日には連邦公開市場委員会(FOMC)、15日・16日には日銀の金融政策決定会合と重要イベントが続きます。FOMCは日本時間16日の午前3時に結果が発表されるため、16日の日本市場は両イベントともこなすことになります。先日発表された雇用統計で非農業部門雇用者数の増加数が低調だったことから、FOMCでは利上げが見送られる可能性が高いとみられます。一方、日銀の金融政策決定会合では追加金融緩和を予想する市場関係者も一定程度おり、日銀の対応に大きな注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は休場 香港市場は続落
上海総合指数:端午節の連休につき休場
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21,122.24(-175.64)
1.概況
<中国本土市場>
端午節の連休につき休場となりました。
<香港市場>
ハンセン指数は続落しています。昨日の米国株安と原油価格の反落に加え、中国本土市場の休場や週末ということもあり、休み明けのハンセン指数は下落して寄り付きました。また、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や指数算出会社MSCIによる中国A株指数組み入れの可否決定などを見極めたいとの思惑から積極的な買いが出にくいなか、約1ヶ月半ぶりの高値圏にあるハンセン指数は利益確定売りに押され下げ幅を広げると一時1%安近く売られる場面もありました。その後はやや持ち直す場面もみられましたが、軟調な推移が続いています。日本時間16時時点で4業種が下げ、なかでも金融株指数と公益事業株指数が1%前後の下落となっています。なお、昨日発表された中国の5月の消費者物価指数(CPI)が2.0%増と上昇率が市場予想を下回り、工業生産者出荷価格指数(PPI)が2.8%減と予想ほど低下しなかったものの、相場の反応は限定的でした。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、ミンシェンバンキング (中国民生銀行・01988)が4%超下落しています。配当落ちに加えてJPモルガン・チェース(JPM)が先週2日にミンシェンバンキングのH株793万株を売却したことが香港証券取引所の開示資料で明らかになったことが嫌気されました。また、米西部ネバダ州ラスベガスとカリフォルニア州ロサンゼルスを結ぶ高速鉄道の建設を計画している米民間企業エクスプレス・ウエストが中国企業連合との合弁を解消すると発表したことを受けて、建設大手のレールウェイコンストラクション (中国鉄建・01186)が5%余り下落しているほか、チャイナレールウェイ (中国中鉄・00390)も3%以上下げるなど、鉄道関連の株が軒並み軟調に推移しています。
一方で、パソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)が2%以上値上がりしています。昨日にCG(コンピューターグラフィックス)映像を現実に重ねてみせる拡張現実(AR)の世界を体験したり、スピーカーやプロジェクターなどの別売りのモジュールを合体させたりできるのが特徴となったスマホ3機種を発表したことに加え、会長が株を追加取得したとの報道も材料視されました。また、米大手芸能事務所WME-IMGの中国事業に共同出資すると発表したインターネット大手のテンセント (騰訊控股・00700)も小幅ながら上昇しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)