マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は英国のEU離脱懸念の高まりを受け下落 日本市場は米国株安で続落か
NYダウ: 17865.34 ▼119.85 (6/10)
NASDAQ: 4894.55 ▼64.07 (6/10)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は、欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国での国民投票に関する最新の世論調査で離脱支持が残留支持を上回ったことで英国のEU離脱懸念が高まったことや、50ドルを割り込んだWTIの原油先物価格の下落を受けて続落となりました。下げて始まったダウ平均は150ドル安近くまで売られると一旦持ち直しましたが、午後に再び下げ幅を広げ一時は170ドル安余りまで下落しました。引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均ですが結局119ドル安の17,865ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も64ポイント安の4,894ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は94.3で5月の確報値から0.4ポイント低下したものの、市場予想は上回っています。また、5月の米財政収支は525億700万ドルの赤字となり前年同月から37.5%縮小しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち電気通信サービスと生活必需品を除く8業種が下げました。なかでもエネルギーが2%近く下落したほか、金融、情報技術、一般消費財・サービス、資本財・サービスも1%以上の下げとなっています。
4.個別銘柄動向
約3300万人のアカウント情報の流出が明らかになったツイッター(TWTR)や、車の修理を巡る守秘義務契約について米運輸省高速道路交通安全局の調査が入ったと伝わった電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)が大幅安となりました。また、既存店売上高の減少を嫌気してカジュアル衣料・雑貨専門店のアーバン・アウトフィッターズ(URBN)も大きく下げ、2017年1月期通期の1株利益の見通しを下方修正したマットレス大手のマットレス・ファーム(MFRM)は急落しています。一方で増配を発表した税務申告代行サービスのH&Rブロック(HRB)が急伸しました。
5.為替・金利等
長期金利は英国のEU離脱懸念の高まりを受けて安全資産の米国債が買われ0.04%低い1.64%となりました。ドル円は106円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安を受けて本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の16,500円を割り込んで下げ幅を広げそうですが、売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)