マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
英国のEU離脱懸念を受けての欧米株安や一段の円高を嫌気して日経平均600円近い下げ
日本株式市場
1.概況
本日の日本市場は大幅続落となりました。先週末の欧米市場が英国のEU離脱懸念の高まりや原油安を嫌気して下落したことを受けて日経平均は寄り付きから節目の16,500円を割り込み282円安の16,319円と大きく下げて始まりました。日経平均はドル円が106円近辺まで円高となったことから下げ幅を広げ11時前に505円安の16,095円まで下落すると一旦下げ渋りましたが、105円台後半までドル円がさらに円高に振れたことから後場に入ってさらに売られ結局582円安の16,019円と3日続落となり安値引けで取引を終えました。また、新興市場では東証マザーズ指数が5日ぶりの反落、日経ジャスダック平均が7日ぶりの反落となり、東証マザーズ指数は4%を超える下落となっています。こうしたなかメジャーSQで先週末に2兆円を回復した東証1部の売買代金は1兆8518億円と再び2兆円の節目を割り込みました。
2.個別銘柄等
日経平均が大幅安となるなか、日経平均採用銘柄は東京ドーム(9681)を除く224銘柄が下落しました。なかでも外資系証券による目標株価の引き下げを嫌気した売りでSUMCO(3436)が8%を超える下落となったほか、英国のEU離脱懸念が高まったことから英国で鉄道事業を展開する日立(6501)や、対ユーロでも円高が進んだことで欧州比率の高いマツダ(7261)が6%安となりました。国際石油開発帝石(1605)も原油価格の下落を受けて6%近く下げています。一方で東京ドームは先週末の引け後に第1四半期決算を発表し2017年1月期通期の純利益の見通しを上方修正したことで買われました。花王(4452)は目標株価の引き上げを受けて上昇する場目もありましたが、地合いに押され下げて取引を終えています。また、日経平均採用銘柄以外では日産(7201)が保有株式売却に向けて入札を行うなか、ファンドがTOB(株式公開買い付け)によって全株式の取得を目指す動きもあると報じられたことからカルソニックカンセイ(7248)が5%高の大幅高となっています。新興市場では、17日付で東証1部に市場変更することとなった家電量販店のノジマ(7419)がTOPIXに採用となることを見越した買いで急伸しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
今週から来週にかけては重要なイベントが目白押しです。今週は14日-15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が、そして15日-16日に日銀の金融政策決定会合が、さらに来週23日には英国でEUからの離脱(Brexit)を問う国民投票が実施されます。日経平均は本日の大幅下落で5月以降の三角保ち合いを下に放れる格好となっているだけに、こうしたイベントの結果次第ではもう一段下値を探る展開もありそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)
中国株式市場
上海市場と香港市場は大幅続落
上海総合指数:2,833.07(-94.09)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,480.63(-562.01)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅続落となりました。朝方に中国人民銀行による人民元の対ドルレートの基準値が大幅に元安に設定されたことが嫌気され上海総合指数は節目の2,900ポイントを割り込んで下げて始まると、1-5月の固定資産投資の伸び率が16年ぶりの低水準となったことや、5月の小売売上高が市場予想に届かなかったことなどが嫌気され下げ幅を広げる展開となりました。引けにかけて一段安となった上海総合指数は3.2%安となり、ほぼ安値引けとなっています。
<香港市場>
ハンセン指数も大幅続落となっています。先週末の米国株安と原油価格の下落を受けて節目の21,000ポイントを割り込んで寄り付いたハンセン指数は、中国の経済指標が総じて冴えなかったことや、英国のEU離脱を警戒した売りなどから徐々に下げ幅を広げる展開となり2%を超す下落となっています。日本時間16時時点で4業種全てが下げ、商工業株指数が3%近く下落しているほか、金融株指数や不動産株指数、公益事業株指数なども2%以上の下げとなっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面安となっています。英国がEUから離脱した場合の影響が懸念され銀行のエイチエスビーシー (HSBC・00005)や保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)が3%超下落しています。また、原油価格の下落を受けてクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)やペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)などのエネルギー株も軒並み下げています。さらに先週末に年初来高値を付けた中国乳製品メーカーのモンニュウデイリー (蒙牛乳業・02319)が利益確定の売りで7%近く下げています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)