マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はEU離脱が引き続き警戒され下落 日本市場は欧米株安で軟調なスタートか
NYダウ: 17674.82 ▼57.66 (6/14)
NASDAQ: 4843.55 ▼4.89 (6/14)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は欧州株が大きく下げるなか英国のEU離脱が引き続き警戒され4日続落となりました。ダウ平均は昼前に130ドル安近くまで売られると一旦下げ渋り持ち直す場面もありましたが、上値の重さが意識されるなか取引終盤に再び売られると136ドル安まで下落しました。引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均ですが戻し切れず結局57ドル安の17,674ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も4ポイント安の4,843ポイントとなっています。
2.経済指標等
5月の米小売売上高は前月比0.5%増と2カ月連続で増加し市場予想を上回りました。5月の米輸入物価指数は前月比1.4%上昇し市場予想を上回りました。また、米輸出物価指数も1.1%上昇しこちらも市場予想を上回っています。4月の米企業在庫は前月比0.1%増となったものの、市場予想は下回っています。米企業売上高は0.9%増となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち金融や素材など4業種が下げ、金融は1%を超える下落となりました。一方で電気通信サービスや公益事業、生活必需品などの6業種が上げています。
4.個別銘柄動向
世界的な金利低下が業績を圧迫するとしてJPモルガン・チェース(JPM)やウェルズ・ファーゴ(WFC)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、シティグループ(C)、ゴールドマン・サックス(GS)などの金融株が売られました。また、ダウ平均構成銘柄ではアメリカン・エキスプレス(AXP)が4%安となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ホーム・デポ(HD)も2%安となっています。一方で大幅な増収見通しを発表したアリババ集団(BABA)が大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は前日と変わらずの1.61%となりました。ドル円は106円近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
欧米株安を受けて本日の日本市場も軟調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日までの4日続落で1,000円近く下げている日経平均が下げ渋り切り返すような展開となるかがポイントとなりそうです。また、中国本土の人民元建て株式(中国A株)のMSCI新興国株指数への組み入れが見送られた中国株の動向が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)