市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均5日ぶりに小幅反発 今夜のFOMCおよび明日お昼の日銀発表に大注目

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は60円高の1万5919円と5日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400もそれぞれ上昇し、昨日10%超の大幅下落となったマザーズ指数も本日は3.3%高と大幅に反発しています。昨日の米国市場が下落したことを受け、日経平均は59円安の1万5799円と続落して寄り付きました。日経平均は9時半頃までに下げ幅を100円超まで広げましたが、その後は持ち直し10時過ぎにはプラスに転じました。その後も買いが優勢になると一時は1万6000円回復目前まで迫りましたが、わずかに到達せず結局前場は114円高の1万5973円で引けました。後場に入ると上げ幅を広げることはなかったものの一貫してプラス圏での推移が続き、結局5日ぶりに反発して取引を終えています。東証1部の売買代金は1兆9253億円と3日連続で活況の目安とされる2兆円の節目を下回りました。東証33業種は保険業や輸送用機器、電気機器など22業種が上昇した一方、電気・ガス業や建設業など11業種が下落しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね堅調な値動きとなりました。売買代金トップのトヨタ自動車(7203)が1.3%高と3日ぶりに反発しました。その他の自動車各社も富士重工業(7270)が2.6%高、日産自動車(7201)が1.2%高など総じて上昇しています。その他の売買代金上位銘柄は、三井住友(8316)、東芝(6502)、ソフトバンクグループ(9984)がそれぞれ上昇しました。中でも東芝は国内大手証券が目標株価を引き上げたことが好感されて7.6%の大幅高となっています。その他材料が出たところでは、ドラッグストアのツルハホールディングス(3391)が8%超上昇して上場来高値を更新しました。前期の営業利益が16.5%の増益と好調だったことや増配の発表、また今期予想も18.4%の営業増益だったことが好感されました。一方、関西電力(9503)が5.6%の大幅安となりました。国内大手証券が投資判断および目標株価を引き下げたことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は昨日までの4日間で1,000円近く下落していたとあって一定の買い戻しが入ったようです。日本時間今夜午前3時に連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文が発表されます。今回の会合で追加利上げが決定される可能性は低いとみられていますが、声明文で今後の金融政策や経済認識についてどのような表現が行われるか注目されます。また、明日のお昼ごろには日本銀行の金融政策決定会合の結果発表が行われます。追加金融緩和が発表される可能性は高くないとみられていますが、サプライズの緩和発表にも警戒したいところです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は大幅続伸 香港市場は小幅反発

上海総合指数:2,887.21(+45.02)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,453.33(+65.8)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅続伸となりました。中国本土の人民元建て株式(中国A株)のMSCI新興国株指数への組み入れが見送られたことに加え、朝方に中国人民銀行による人民元の対ドルレートの基準値が大幅に元安に設定されたことなどから上海総合指数は下落して寄り付くとしばらくして1%安まで売られました。しかし、中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)の報道官が「今回のMSCIの決定が中国の金融市場の改革・開放のプロセスや市場化・法治化の方針に影響することはない」と明言したことや、採用見送りが13日の大幅下落で相当織り込まれていたとの見方もあって下げ渋ると切り返しプラスに転じました。上げ幅を広げた上海総合指数は一時1.8%高まで買われると、その後も堅調に推移し高値圏で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は5日ぶりに小幅反発となっています。昨日の米国株安と原油価格の下落に加え、MSCI新興国株指数への中国A株の採用見送りも嫌気され1.1%安でスタートしたハンセン指数ですが、本土市場の切り返しを受けて下げ幅を縮めるとプラスに転じました。しかし、英国のEU離脱への警戒感や、今夜の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて積極的な買いは限定的で小幅高での推移となっています。日本時間16時時点で公益事業株指数をはじめ、商工業株指数や不動産株指数、金融株指数が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、昨日までの4日間で5%近く下落したインターネット大手のテンセント (騰訊控股・00700)が値ごろ感から買われ2%超値上がりしています。また、昨日に3%超下げていたパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)も1%以上上昇しています。さらに、投資判断の引き上げを受けて電力のCLPホールディングズ (中電控股・00002)も買われています。

一方で外資系証券会社が弱気の投資判断を維持したホンコンエクスチェンジ (香港証券取引所・00388)が軟調で、特段の材料はないものの商社のリーアンドフン (利豊・00494)が1%余り下げています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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