市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は午後に切り返して6日ぶりに反発 日本市場は米国株高で反発スタートか

NYダウ: 17733.10  △92.93 (6/16)
NASDAQ: 4844.92  △9.98 (6/16)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は6日ぶりに反発しました。原油価格の下落もあって一時170ドル安近くまで売られたダウ平均ですが、その後徐々に下げ幅を縮めると英国でEU残留を支持する最大野党労働党の女性下院議員が射殺されるという事件が発生したことで同情票が残留支持へ向かうとの思惑が浮上し午後にプラスに転じました。上げ幅を広げ取引終盤に114ドル高まで買われたダウ平均は結局92ドル高の17,733ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も9ポイント高の4,844ポイントとなっています。

2.経済指標等
先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比1万3千人増の27万7千人となり市場予想を上回って悪化しました。5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.0%の上昇となり市場予想を下回っています。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は同2.2%上昇となりこちらは市場予想と一致しています。6月の米フィラデルフィア連銀景気指数は4.7と前月のマイナス1.8から改善し市場予想も上回りました。6月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は60と前月の58から上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち電気通信サービスや公益事業、生活必需品などの9業種が上げました。一方でエネルギーが下げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上昇しました。なかでもがん治療薬の臨床試験で良好な結果が得られた医薬品のメルク(MRK)が2%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。また、ダウ平均構成銘柄以外ではストライキ回避で労組と合意した百貨店大手のメーシーズ(M)が買われました。一方で売上高や1株利益が予想を下回ったドラッグストアのライトエイド(RAD)が軟調で、四半期決算で1株利益が市場予想を上回った食品スーパー大手のクローガー(KR)は買いが先行したものの、材料の出尽くしから下げて取引を終えています。

5.為替・金利等
長期金利は米国株の上昇を受けて安全資産の米国債が売られ0.01%高い1.58%となりました。ドル円は一時103円台半ばまで円高が進む場面もありましたが、朝方は104円台前半での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
短期的な売られすぎ感が意識されるなか米国株高を受けて本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。こうしたなか本日も日中はドル円の動向に神経質な展開となりそうですが、来週23日に英国のEU離脱を問う国民投票を控えるなか日経平均がどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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