市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均165円高と反発 来週はいよいよ英国で国民投票が実施

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は165円高の1万5599円と反発しました。TOPIXやJPX日経400も反発しましたが、新興市場のマザーズ指数は続落しました。昨日の米国市場が6日ぶりに反発しリスクオフムードがやや和らいだことから、日経平均は197円高の1万5631円と大幅に反発して寄り付きました。昨日一時103円台まで円高に振れたドル円が104円台後半まで戻したこともあり日経平均は上げ幅を拡大すると一時は340円高をつける場面がありました。ただ、その後ドル円がじりじりと円高に振れると日経平均もやや上げ幅を縮小し結局251円高で前引けをむかえました。日経平均は後場からさらに上げ幅を縮めると、一時は150円足らずまで上げ幅を縮める場面がありました。その後は引けにかけてやや持ち直しましたが、結局1日の安値圏での大引けとなりました。東証33業種は輸送用機器や鉱業など28業種が上昇しました。一方で陸運業、水産・農林業、不動産業、食料品、小売業の内需関連の5業種が下げています。東証1部の売買代金は2兆4744億円と2営業日続けて2兆円の節目を上回りました。

2.個別銘柄等
売買代金上位の主力銘柄は概ね堅調でした。トヨタ自動車(7203)が2.7%高となったほか、三井住友(8316)、JT(2914)、三菱UFJ(8306)、KDDI(9433)などがそれぞれ上昇しました。一方、ソフトバンクグループ(9984)やNTT(9432)が下げています。材料が出たところでは子供服などを販売する西松屋チェーン(7545)が17%超の大幅高で東証1部の上昇率トップとなりました。昨日の大引け後に発表した第1四半期の決算が好調で、今期の業績予想を大きく上方修正したことが好感されました。また、住友林業(1911)も3.8%高となりました。国内大手証券が投資判断を引き上げたことが好感されました。半導体大手のルネサスエレクトロニクス(6723)も5.6%高としっかりでした。日本電産(6594)の社長が「いつか買収したい会社の中に入っている」と発言したと伝わったことで買われました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は反発しましたが、今週はFRBの金利現状維持、日銀の追加緩和見送り、英国国民投票でのEU離脱不安と言った材料を受けて週間で約1,000円のきつい下げとなりました。来週23日にはいよいよ英国で国民投票が実施されます。残留、離脱どちらになるか予断を許さない情勢で、来週も大きな注目を集めそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場と香港市場ともに小幅反発

上海総合指数:2,885.10(+12.29)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,099.10(+60.68)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発となりました。信用取引を再開した国泰君安証券の貸株規模が1億元に上ったとの報道などが手掛かりとなり、上昇して始まった上海総合指数はまもなく1%高近くまで買われました。しかし、その後は何度か節目の2,900ポイントを超えたところで上値が抑えられると後場に一時マイナスに転じる場面もありました。引けにかけて買いがやや優勢となり、結局上海総合指数は0.4%高で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数も小幅に反発しています。昨日の米株高や、英国で残留派の英下院議員が射殺されたことを受け同情票で残留派が票を伸ばすとの思惑から英EU離脱観測がやや後退していることなどを受けて、ハンセン指数は上昇して寄り付くとしばらくして一時1.2%高まで買われました。しかし、23日の英国の国民投票を控えているなか、週末ということもあり、積極的な買いは限定的で、上値が伸び悩むと上げ幅をやや縮める展開となっています。日本時間16時時点で4業種が上げ、なかでも金融株指数が1%近い上昇となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、英国のEU離脱懸念の後退を受けて欧州の銀行最大手のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が約2%上昇し、ハンセン指数を30ポイント以上押し上げています。また、中欧と東欧に投資する「中東欧基金」を共同設立することでチェコ政府と基本合意した銀行のインダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)が1%以上値上がりしています。さらに、5月の石炭の売上高が前年比22%減少だったものの、今後の改革が進むとの期待から石炭のシェンホアエネルギー (神華能源・01088)が3%超の上昇となっています。

一方で、ゲーム会社のスーパーセル株の約73%を保有するソフトバンクグループ(9984)から株式を買い取る方向で調整していると伝わったことが材料視され、インターネット大手のテンセント (騰訊控股・00700)が前場に一時1.3%上昇する場面がありましたが、日本時間16時時点では下落しています。また、原油安を受けてクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)やシノック(中国海洋石油・00883)などが軟調に推移しています。特段の材料が出たわけではありませんが、商社のリーアンドフン (利豊・00494)が7日続落となっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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