マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は英国の世論調査で残留派が優勢になったことで反発 日本市場は円高で軟調なスタートか
NYダウ: 17804.87 △129.71 (6/20)
NASDAQ: 4837.21 △36.88 (6/20)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は英国のEU離脱を問う国民投票についての世論調査で残留派が優勢になったことから反発しました。大きく上昇して始まったダウ平均はしばらくして270ドル高余りまで買われたものの、朝方の買いが一巡するとその後は徐々に上げ幅を縮める展開となりました。引けにかけて一段と上げ幅を縮めたダウ平均ですが、結局129ドル高の17,804ドルと大きく上昇して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も36ポイント高の4,837ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業を除く9業種が上げました。なかでも資本財・サービス、一般消費財・サービス、エネルギーなどの上昇が目立ちました。
4.個別銘柄動向
ロシアの物流会社から40億ドル規模の航空機を受注する見込みと伝わったボーイング(BA)が2%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、欧州市場で金融株が急伸したことを受けてゴールドマン・サックス(GS)が堅調だったほか、新作アニメ映画の興行収入が北米で首位となったウォルト・ディズニー(DIS)も買われました。一方で同業のアンセム(ANTM)による買収案について米独占禁止当局が独占禁止法に抵触する可能性があるとの懸念を示したと伝わった医療保険のシグナ(CI)が下げています。アンセムは買収が中止となればすれば目先の財務負担がなくなるとの見方から買われています。
5.為替・金利等
長期金利はEU離脱を問う国民投票についての世論調査で残留派が優勢になったことから安全資産の米国債が売られ0.08%高い1.69%となりました。ドル円は円高に振れ103円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場はドル円が円高に振れていることから軟調なスタートが予想されます。ただ、英国のEU離脱への懸念が後退していることから下値は限定的となりそうで、日経平均は昨日に8営業日ぶりに回復した5日移動平均線(昨日時点で15,755円)を上回って推移しそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)