市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均は英国での国民投票を前に大幅反発 明日は国民投票の開票結果に一喜一憂する展開か

日本株式市場

1.概況
本日の日本市場は大幅反発となりました。英国の最新の世論調査で残留派が優勢と伝わったことや、ドル円がやや円安に振れたことで32円高の16,098円でスタートした日経平均は寄り付き後しばらくして96円高の16,162円まで買われましたが、その後やや上げ幅を縮めると前場は77円高で取引を終えました。後場に入って上げ幅を3桁に広げた日経平均はじり高の展開から14時半以降に一段高となり、取引終盤には198円高の16,263円まで上昇しました。結局、日経平均は172円高の16,238円と高値圏で引けています。英国での国民投票を前に本日も薄商いで東証1部の売買代金は1兆5701億円と本日も2兆円を割り込みました。また、新興市場では東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに反発となっています。

2.個別銘柄等
鴻海精密工業の郭台銘董事長が昨日の株主総会で追加のリストラを示唆したことでシャープ(6753)が大きく上昇したほか、6月度(5月21日-6月20日)の既存店売上高が2割増と大きく伸びたニトリホールディングス(9843)も大幅高となり年初来高値を更新しています。また、熊谷組(1861)や日本郵船(9101)が目標株価や投資判断の引き上げを好感して大幅上昇となっています。さらにスマホ向けRPGゲーム「ユニゾンリーグ」の登録数が1000万件を超えたと発表したエイチーム(3662)がストップ高となり、東証1部で上昇率トップとなりました。一方で昨日から配信を始めたスマホ向けゲーム「シノビナイトメア」の出足が鈍かったとして失望売りが出たgumi(3903)が急落しています。そのほかオリエンタルランド(4661)やニコン(7731)やセブン銀行(8410)が投資判断や目標株価の引き下げを受けて売られ年初来安値を更新しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
明日はいよいよEUからの離脱を問う英国での国民投票の結果が判明します。日本時間の明日朝6時に投票が締め切られ、6時過ぎにはまず世論調査会社の当日の調査結果が発表されます。そして8時過ぎから順次開票結果が発表となり、昼ごろには大勢が判明するとみられます。こうしたなか明日は開票結果に一喜一憂する展開が予想されますが、仮に結果が残留となれば、まるでタイミングを合わせたかのように明日ねじれが発生する一目均衡表の雲(16,552円)を日経平均が一気に抜けてくるような展開も期待できそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)


中国株式市場

上海市場は反落 香港市場は続伸

上海総合指数:2,891.96(-13.59)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,847.17(+52.05)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反落となりました。昨日に8営業日ぶりに心理的な節目の2,900ポイントを回復したこともあって利益確定売りに押され下落して寄り付いた上海総合指数は、2,900ポイントを割り込み下げ幅を徐々に広げる展開となりました。一時1%安近くまで売られた上海総合指数ですが、後場に入り徐々に買い戻され下げ幅を縮めると結局0.5%安で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は5日続伸となっています。英国のブックメーカー(賭け業者)が「残留」の確率を引き上げと伝わり買いが先行したハンセン指数ですが、昨日までの4日間で4%近く上昇していたことから利益確定売りが出て一時マイナスに転じました。しかし、金融株の上昇を受けてまもなく持ち直しプラスに転じるとその後も堅調に推移しています。日本時間16時時点で金融株指数が1%近く上昇しているほか、不動産株指数も僅に上げています。一方で商工業株指数と公益事業株指数が小幅に下げています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、世論調査でEU残留派が優勢となっていることを受けて保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)と銀行のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が上昇し、2銘柄でハンセン指数を60ポイント近く押し上げています。また、欧州の売上高比率が高い複合企業のCKHホールディング (長和・00001)も堅調となっています。さらに、香港と中国・深セン市場の株式相互取引の開始時期が7月初旬に発表されるとの観測から深セン市場と重複上場しているハイセンスクーロン (科龍電器・00921)やセッコウセボウ (浙江世宝・01057)などが買われています。

一方で特段の材料はないものの食品大手のティンイー (康師傅・00322)や商社のリーアンドフン (利豊・00494)が2%前後の下落となっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

バックナンバー


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

利益相反に関する開示事項

当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、ならびに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。