マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は大幅反発 ダウ平均は18,000ドルを回復 本日は英国の国民投票の結果に注目
NYダウ: 18011.07 △230.24 (6/23)
NASDAQ: 4910.04 △76.72 (6/23)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は英国の国民投票に関する世論調査でEU残留支持が優勢と伝わったことで英国のEU残留期待が高まり大幅反発となりました。欧州株高もあって大きく上昇して始まったダウ平均は堅調に推移すると引けにかけて一段高となり、230ドル高の18,011ドルと終値で11営業日ぶりに節目の18,000ドルを回復して高値引けとなりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も76ポイント高の4,910ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比1万8千人減の25万9千人と2週ぶりに減少し市場予想を下回って改善しました。また、6月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.4となり市場予想を上回りました。一方で5月の米景気先行指標総合指数は前月比0.2%低下となり上昇を見込んでいた市場予想を下回り、5月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比6.0%減の55万1千戸となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種全てが上昇しました。なかでも金融が2%を超える上昇となったほか、エネルギーや素材、情報技術なども大きく上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はナイキ(NKE)を除く29銘柄が上げました。なかでもゴールドマン・サックス(GS)が3%高となったほか、キャタピラー(CAT)やビザ(V)、インテル(INTC)なども2%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄以外では顧客の口座保護に関する規制違反の疑いがあった問題で米当局と和解金支払いで解決するための交渉を進めていると伝わったバンク・オブ・アメリカ(BAC)や、赤字決算ながら市場予想を上回ったカナダの通信機器大手ブラックベリー(BBRY)が大幅高となりました。また、複数の投資判断の引き上げを受けて半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)が10%高と急伸しています。さらに最高経営責任者(CEO)の退任後の人事計画を発表した百貨店のメーシーズ(M)も買われました。一方で6-8月期の売上高見通しがやや慎重と受け止められたコンサルティング大手のアクセンチュア(ACN)が小幅に下げています。
5.為替・金利等
長期金利は英国のEU残留期待が高まり安全資産の米国債が売られ0.06%高い1.74%となりました。ドル円は105円台後半での推移となっていますが、開票結果によって大きく変動しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日は昼ごろに大勢が判明するとみられる英国の国民投票の結果に注目が集まります。投票結果は予断を許さないため寄り付きから開票結果に一喜一憂しそうです。仮に残留で大きく上げる展開となった場合には日経平均がねじれた一目均衡表の雲(16,552円)を一気に抜けるかが、反対に離脱で大きく下げる展開となった場合には16日の安値(15,395円)や2月12日の安値(14,865円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)