市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

英国のEU離脱決定受け日経平均は1,286円安と16年ぶりの下げ幅で年初来安値を更新

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は1,286円安の1万4952円と大幅に下落して年初来安値を更新しました。英国のEU離脱を問う国民投票で残留派が優位との報道から欧米市場が上昇したことを受け、日経平均は95円高で寄り付きました。日経平均は150円高まで上げ幅を広げる場面があり、しばらくはプラス圏での推移が続きました。ただ、10時頃から国民投票で離脱派の優勢が伝えられると105円台で推移していたドル円が一時103円台まで急落したことなどから、日経平均は480円安程度まで下落しました。その後再び残留派優勢との報道からプラス圏まで値を戻すなど日経平均は非常に荒っぽい値動きとなりました。徐々に離脱派の優勢が伝わると日経平均は再び下げ幅を広げて結局前場を495円安とその時点の安値圏で引けました。お昼休みの時間帯に英国のEU離脱が決定的になると、ドル円が一時99円台まで円高に振れ、日経平均先物が急落しました。日経平均も後場寄りから大きく下げ幅を広げると、日経平均先物は12時48分にサーキットブレーカー制度が発動されて一時的に売買が停止されました。日経平均は1万5000円の節目を割り込むと、一時は1,374円安の1万4864円まで下落しました。引けにかけてやや値を戻したものの、日経平均はそのまま1,286円安と安値圏での大引けとなりました。東証1部の値上がり銘柄数はわずか6と全面安の商状でした。マーケットの乱高下を受け東証1部の売買代金は3兆3383億円と商いが膨らみました。なお、本日の日経平均の下落幅は2000年4月17日以来約16年2ヶ月ぶりの大きさとなっています。

2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄も軒並み大幅安となりました。トヨタ自動車(7203)が8.7%安、ソフトバンクグループ(9984)が9.4%安、三菱UFJ(8306)も8.6%安となっています。また、ファーストリテイリング(9983)、マツダ(7261)、日立(6501)、村田製作所(6981)、野村(8604)などは10%を超える下落となりました。東証1部で上昇したのはU―NEXT(9418)、フォーバル(8275)、FJネクスト(8935)、東京鐵鋼(5445)、西松屋チェーン(7545)、ソフトクリエイトホールディングス(3371)のわずか6社のみとなっています。なお、東証2部への指定替えおよび上場廃止の猶予期間入りに入ったと発表したシャープ(6753)は16.5%の大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
市場は英国のEU残留予想に傾いており、予想外の離脱派勝利にパニック的な売りが殺到しました。予想外の事態を受け来週以降の市場動向を予想するのは極めて困難ですが、まずは今夜の欧米市場の値動きを見極めてということになります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は大幅続落 香港市場は大幅反落 ハンセン指数は節目の2万ポイント割れ

上海総合指数:2,854.29(-37.67)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,960.89(-907.45)


1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅続落となりました。下落してスタートした上海総合指数はしばらくしてプラスとなったものの、2,900ポイントを前に上値が伸び悩むと英国のEU離脱を問う国民投票で離脱派が優勢と伝わったことで下落に転じ下げ幅を広げました。後場に一時3%安近くまで下落した上海総合指数ですが、その後持ち直すと結局1.3%安で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は6日ぶりの大幅反落となっています。下落して寄り付いたハンセン指数ですが、英国の国民投票の開票速報で残留の票数がリードしていたことを好感し、しばらくしてプラスに転じると一時節目の21,000ポイントを回復する場面もありました。しかし、離脱の票数が逆転したことで再びマイナス圏に沈むと下げ幅を広げ、節目の20,000ポイントを割り込み一時は6%安近くまで売られました。ハンセン指数はその後やや下げ幅を縮めているものの、引き続き大幅安となっています。日本時間16時時点で4業種全てが下げています。金融株指数が5%近く下落しているほか、不動産株指数や商工業株指数、公益事業株指数も3%を超える下げとなっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面安となっています。英国の国民投票でEU離脱となった結果を受けて英国に本拠地を置く大手銀行のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が9%超下げ、ハンセン指数を1銘柄で200ポイント近く押し下げています。また、値嵩株のインターネット大手のテンセント (騰訊控股・00700)や保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)、欧州の売上高比率が高い複合企業のCKHホールディング (長和・00001)なども揃って大幅安となっています。

一方でリスク回避姿勢が強まるなか金鉱株が買われています。ズージンマイニング (紫金砿業・02899)が5%超上げているほか、ジャオジンマイニング (招金砿業・01818)も9%以上上昇しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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