マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は英国のEU離脱で急落 ダウ平均は610ドル安 日本市場は反発スタートか
NYダウ: 17400.75 ▼610.32 (6/24)
NASDAQ: 4707.98 ▼202.06 (6/24)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はマーケットの予想に反して国民投票で英国のEU離脱が決まったことで急落しました。取引開始直後から大きく下げたダウ平均はじりじりと下げ幅を広げると取引終盤には650ドル安余りまで売られました。ダウ平均は引けにかけて小幅に下げ幅を縮めたものの、結局610ドル安の17,400ドルと大幅に反落して安値圏で取引を終えています。ダウ平均の終値の下げ幅は2011年8月以来ほぼ4年10カ月ぶりの大きさとなりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も202ポイント安の4,707ポイントと大幅反落となっています。
2.経済指標等
6月のミシガン大学米消費者態度指数確報値は93.5と速報値から0.8ポイント低下し市場予想を下回りました。また、5月の米耐久財受注額は前月比2.2%減と3カ月ぶりのマイナスとなり市場予想を上回る減少となりました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も0.7%減で増加を見込んでいた市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業を除く9業種が下げました。なかでも金融が5%を超える下落となったほか、素材、情報技術、資本財・サービスが4%を上回る下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。なかでもゴールドマン・サックス(GS)が7%安となったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も7%近く下落しました。また、キャタピラー(CAT)も6%を超える下落となり、IBM(IBM)、ボーイング(BA)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、シスコシステムズ(CSCO)も5%を上回る下げとなりました。ダウ平均構成銘柄以外では金相場の上昇で収益が拡大するとの期待からニューモント・マイニング(NEM)などの金鉱株が上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は国民投票で英国のEU離脱が決まったことで安全資産の米国債が買われ0.18%低い1.56%となりました。24日の東京市場で大幅な円高となったドル円は、ニューヨーク市場では102円台で小動きとなりました。朝方は102円近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場は大幅下落となったものの、ダウ平均の下落率が日経平均の半分以下に止まったことから本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。先週末の急落の後で警戒感も強いなかで日経平均が節目の15,000円を引けで回復できるかがポイントとなりそうで、本日もドル円の動向に神経質な展開が続きそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)