市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均357円高と反発 今週は各種経済指標や英国のEU離脱関連報道に注目

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は357円高の1万5309円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。中でもマザーズ指数は4.7%高と大きく反発しています。英国の国民投票でEU離脱派が勝利したことを受け、先週末のダウ平均は610ドル安と大きく下落しました。ただ、下落率は3.4%と日経平均の7.9%に比べて半分以下にとどまったことで買い戻しの動きが強まり、本日の日経平均は201円高と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を100円余りまで縮める場面があったもののその後は再び上げ幅を広げると、前場を207円高で引けました。日経平均は後場寄りから一段高となるとまもなく上げ幅が300円を超えました。日経平均はその後前引け水準まで上げ幅を縮める場面がありましたが、引けにかけて再度上げ幅を広げるとほぼ高値引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆3094億円と活況の目安とされる2兆円の節目を上回りました。東証33業種は業種ごとに騰落が大きく分かれました。円高がメリットになりやすいとされるパルプ・紙や、陸運業、医薬品、食料品、情報・通信業などの内需関連業種が大きく反発した一方で、証券商品先物や鉱業、輸送用機器、鉄鋼、銀行業など金融や景気敏感セクターが大きく売られました。

2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。東証1部の売買代金トップのトヨタ自動車(7203)から3位のキヤノン(7751)まで揃って下落しました。一方でソフトバンクグループ(9984)、NTT(9432)、KDDI(9433)、JT(2914)などがそれぞれ大きく上昇しました。売買代金9位に入ったマツダ(7261)は円高進行に加えて大手証券が投資判断を引き下げたことが嫌気され、10%近い大幅続落となりました。マツダは2日間で20%超下落しています。材料が出たところでは、1-6月期の業績予想の下方修正と希望退職者の募集を発表した三陽商会(8011)が7.3%安と大きく下げました。一方、未払い法人税等の取崩しの実施等により今期の純利益予想を引き上げた新日本建設(1879)は15%近い大幅高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日本市場は先週末の大幅下落からの巻き戻しで反発しました。今週は国内で鉱工業生産指数や全国消費者物価指数、日銀短観、国外では米国でISM製造業景況感指数、中国で製造業・非製造業のPMIなどの重要経済指標が発表されます。また、英国のEU離脱に関連してどのような報道が出るかなどが注目材料となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は大幅反発 香港市場は小幅続落

上海総合指数:2,895.70(+41.42)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,203.36(-55.77)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅反発となりました。大幅な元安を受けて売りが先行した上海総合指数ですが、5月の工業企業利益がプラスを維持したことや、中国人民銀行がオペで4カ月ぶりの大きさとなる資金を供給したことなどを受けてしばらくしてプラスに転じると上げ幅を広げる展開となりました。結局、上海総合指数は1.5%高となり、ほぼ高値引けで取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は小幅続落となっています。先週末の欧米株の大幅安を嫌気して節目の20,000ポイントを割り込み大きく下落してスタートしたハンセン指数ですが、本土市場の反発を受けて下げ幅を縮める展開となりました。一時20,200ポイント近くまで持ち直したハンセン指数は小安い水準での推移となっています。日本時間16時時点で不動産株指数が小幅に上昇する一方で、商工業株指数、公益事業株指数、金融株指数が下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、英国のEU離脱決定により英国事業の比率が高い銘柄が引き続き大きく売られています。なかでも複合企業のCKHホールディング (長和・00001)が4%超下落しているほか、電力のパワーアセット (電能実業・00006)も2%を超える下げとなっています。また、大株主から会長を含む役員の退任を要求されたと発表した中国不動産最大手のチャイナバンカ (万科企業・02202)が大きく値下がりしています。

一方で、外資系証券が目標価格を引き上げた石炭のシェンホアエネルギー(中国神華能源・01088)が3%近く上昇しています。また、リスク回避ムードのなかズージンマイニング (紫金砿業・02899)やジャオジンマイニング (招金砿業・01818)などの金鉱株が買われています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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