マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は英国のEU離脱決定を受けた売りが続き大幅続落 日本市場は欧米株安で反落か
NYダウ: 17140.24 ▼260.51 (6/27)
NASDAQ: 4594.44 ▼113.54 (6/27)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は英国のEU離脱決定を受けた売りが続き大幅続落となりました。欧州株安を受けて取引開始直後から大きく下落したダウ平均は330ドル安余りまで売られると下げ渋りやや下げ幅を縮めましたが、軟調な推移が続くと取引終盤には再び340ドル安近くまで売られ安値を付けました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局260ドル安の17,140ドルと大きく下落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も113ポイント安の4,594ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち8業種が下げました。なかでも素材が3%超下落したほか、金融、エネルギー、情報技術、資本財・サービスも2%以上下げています。一方で公益事業と電気通信サービスが上げ、公益事業は1%を上回る上げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を除く28銘柄が下げました。なかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)が4%近く下落したほか、JPモルガン・チェース(JPM)とボーイングも3%以上の下げとなり、デュポン(DD)やマイクロソフト(MSFT)も3%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では英国のEU離脱での需要低迷を警戒して米航空大手が売られました。ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)が8%安となったうえ、アメリカン航空(AAL)も6%を超える下げとなり、デルタ航空(DAL)は5%を上回る下落となりました。一方で新製品発売が報じられた食品のペプシコ(PEP)が小幅に上昇しています。また、医療機器大手のメドトロニック(MDT)が買収で同意したと発表した人工心臓のハートウェア(HTWR)が買収価格にさや寄せする格好で急騰しています。メドトロニックは買収による財務負担を懸念した売りで下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は欧米株安が続くなか安全資産の米国債が買われ0.13%低い1.43%となりました。ドル円は102円近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
欧米株が引き続き大きく下げたことから本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。こうしたなか輸出関連株に引き続き売りが出るのか、それとも買戻しの動きがみられるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)