マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均13円高とほぼ横ばい 日中値幅は450円超と荒っぽい値動き
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は13円高と小幅に続伸した一方、TOPIXやJPX日経400は小幅安と高安まちまちでした。新興市場のマザーズ指数は2%強上昇しました。英国のEU離脱を巡る懸念から昨日欧米の主要株価指数が大幅に続落したことを受け、日経平均は214円安と大幅に反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を300円超まで広げて10時過ぎには1万5000円の節目を割り込みました。ただ、特段の材料は出ていないものの日経平均は1万5000円の節目を割り込んだところから急速に下げ幅を縮めると、10時半過ぎには一時プラスに転じました。前場を50円安で終えた日経平均は、後場寄りからプラスに転じると一時は上げ幅を130円超まで広げました。その後はやや上げ幅を縮めて小高い水準での推移が続いた日経平均は引けにかけてさらに上げ幅を縮めて結局13円高での大引けとなりました。終値はほぼ横ばいだった日経平均ですが、日中の高値と安値の値幅は450円超と荒っぽい値動きとなりました。東証33業種は昨日に引き続き、内需ディフェンシブセクター堅調・外需や景気敏感セクター軟調の傾向が鮮明でした。建設業、倉庫運輸関連、食料品、小売業、医薬品などが上昇した一方で、輸送用機器やゴム製品、保険業などが下落しています。東証1部の売買代金は2兆3571億円と3営業日続けて活況の目安とされる2兆円を上回りました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入ったトヨタ自動車(7203)は3.4%の大幅続落で5,000円の節目を下回り年初来安値を更新しました。ドル円が102円前後の円高水準にあることからその他の自動車各社も軒並み売られました。マツダ(7261)は本日も下げ止まらず、3.2%安となりました。ホンダ(7267)や日産自動車(7201)、富士重工業(7270)も売られています。その他の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金2位のブイ・テクノロジー(7717)は12%近い大幅高となったほかソフトバンクグループ(9984)やNTT(9432)などがしっかりだったものの、メガバンク3行やキヤノン(7751)などが売られました。材料が出たところでは、低価格衣料のしまむら(8227)が9%近い大幅高で年初来高値を更新しました。昨日発表した第1四半期の営業利益が4割近い大幅増益で、大手証券が投資判断を引き上げたことも好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
内需堅調、外需・景気敏感の軟調が続いています。Brexit問題で海外の景気動向が不安視されるなか業績に比較的安心感のある内需好業績銘柄が物色されているとみられます。海外動向が落ち着くまでは同様の傾向が続くかもしれません。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は続伸 香港市場は続落
上海総合指数:2,912.56(+16.85)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,100.67(-126.63)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続伸となりました。人民元の対米ドルレートの基準値が約5年半ぶりの元安水準に設定されたことを受けて上海総合指数は売りが先行し一時0.6%安まで売られました。しかし、中国人民銀行が一部メディアで報じられた銀行金利規制の復活を改めて否定したことに加え、中国人民銀行による追加の金融緩和策への期待もあって下げ渋ると切り返し後場にプラスに転じました。その後昨日の終値を挟んで揉み合う展開となった上海総合指数ですが、引けにかけて買いが優勢となると節目の2,900ポイントを回復して0.6%高で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は3日続落となっています。先週末の欧米株の大幅続落を受けて節目の20,000ポイントを割り込んでスタートしたハンセン指数は、本土市場の持ち直しを受けて下げ幅を徐々に縮める展開となったものの、引き続きマイナス圏で軟調な展開となっています。日本時間16時時点で商工業株指数や金融株指数など4業種全てが下げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、複合企業のCKHホールディング (長和・00001)が2%近く下落しているほか、電力のパワーアセット (電能実業・00006)も1%を超える下げとなっています。両社とも英国事業の比率が高いことから、英国格付けの2段階引き下げが嫌気されたようです。また、人民元相場が下げ止まらないなか中国からの資金流出懸念でバンクオブチャイナ(中国銀行・03988)などの金融株も軟調に推移しています。
一方で特段の材料はないものの、商社のリーアンドフン (利豊・00494)や食品大手のティンイー (康師傅・00322)が大幅高となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)