マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均9円高と4日続伸もTOPIXは下落とまちまち
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は9円高と小幅に上昇して4日続伸した一方、TOPIXやJPX日経400は小幅安、新興市場のマザーズ指数は上昇と各指数で高安まちまちでした。昨日の欧米市場が引き続き急落からの買い戻しが優勢で大きく上昇したことを受け、日経平均も185円高の1万5752円と続伸して寄り付きました。ただ、本日の日経平均は寄り付きが1日の高値水準になるとその後は徐々に上げ幅を縮めました。10時半過ぎに一時70円高余りまで上げ幅を縮めた日経平均はその後やや持ち直し前場を127円高で引けました。後場に入るとしばらくは前引け水準での推移が続きましたが、13時半過ぎから再び上げ幅を縮めました。引けにかけても一段安となった日経平均は、結局安値引けとなりました。東証33業種は鉱業や石油石炭製品など13業種が上昇しましたが、繊維製品や水産・農林業など20業種が下落しました。東証1部の売買代金は2兆2611億円と5日連続で2兆円の節目を上回っています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)は取引時間中に米証券取引委員会(SEC)がアローラ前副社長に利益相反などの行為がなかったか調査していると報じられ、2%弱上昇していた株価は一時3%安まで売られる場面がありました。その後株価は徐々に値を戻し、結局0.3%安で引けました。NTTドコモ(9437)がディー・エヌ・エー(2432)と提携して自動運転技術の開発に乗り出すと報じられ、ディー・エヌ・エーが4.8%高と大きく上昇しました。一方NTTドコモは1%安と下げています。また、マザーズ上場のそーせいグループ(4565)が9%超の大幅高となりました。英国子会社がスイス企業とコラボレーションを開始すると発表したことが材料視されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日で多くの重要イベントを通過した6月の取引が終了しました。結果的に6月の日経平均は月間で1,659円、9.6%の大幅下落となりました。6月中旬に行われた連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り追加利上げが見送られました。また、日銀の金融政策決定会合でも金融政策は現状維持となりましたが、こちらは一定の追加緩和期待もあったことから発表日の日経平均は500円近く急落しました。そして、その後は英国のEU離脱の国民投票を控えて荒っぽい値動きとなりました。当初はEU離脱派の優位が伝えられて大幅安となる場面があったものの、23日の投票が近づくに連れてEU残留派の優勢が伝えられ株価は上昇傾向となりました。ただ、投票の結果EU離脱が多数となったことで24日の日経平均は1日で1,200円超の大幅安となりました。その後は、英国のEU離脱がすぐさま実体経済に悪影響を与えるわけではないとの見方が徐々に広がり日本株は買い戻される展開となっています。7月は下旬に再び日米で金融政策を決定する会合が開催されます。特に日本はドル円が102円台まで円高が進み、企業業績を圧迫するとみられていることから再び追加緩和期待が高まりやすいとみられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場はほぼ横ばい 香港市場は大幅続伸
上海総合指数:2,929.61(-1.99)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,770.63(+334.51)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は1日を通して昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。前日まで3日続伸で3%近く上昇していたため目先の利益を確定する売りが出やすかった一方で、信用取引向け融資残高の増加や香港・深セン相互取引開始への期待などが相場を支えました。結局、上海総合指数は4日ぶりに小幅に反落しほぼ横ばいで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は大幅続伸となっています。昨日の欧米株高や原油価格の大幅上昇が好感されハンセン指数は上昇して寄り付くとまもなく2%高近くまで買われました。その後ハンセン指数はやや上げ幅を縮めているものの、引き続き堅調な推移となっています。日本時間16時時点で4業種全てが上げ、なかでも不動産株指数、商工業株指数、金融株指数が揃って1%を超える上昇となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面高となっています。なかでも不動産大手のチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)が5%超上昇しています。中国複合企業最大手のシティック (中信股フェン・00267)から取得することで合意した不動産事業の引き渡しが順調に進んでいると発表したことが好感されました。さらに、中国国務院が常務会議で「中長期鉄道網計画」を承認したことからレールウェイコンストラクション (中国鉄建・01186)やチャイナレールウェイ (中国中鉄・00390)などの鉄道インフラ関連株が堅調となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)