マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は5日続伸で先週末の大幅な下げの半値戻しを達成
日本株式市場
1.概況
本日の日本市場はイングランド銀行(英中銀)総裁の金融緩和に前向きな発言を受けての欧米株高を好感して上昇しました。122円高の15,698円で寄り付いた日経平均は取引開始後しばらくして60円高まで一旦上げ幅を縮めましたが、切り返すと10時半過ぎには一時190円高近くまで買われました。しかし、15,700円台に乗せると押し返される展開が続くなか、後場に入り15,700円近辺でさらに上値が重くなると取引終盤には前場の安値を僅かに割り込みました。その後やや持ち直した日経平均は結局106円高の15,682円と5日続伸で取引を終えています。こうしたなか東証1部の売買代金は1兆7958億円と6営業日ぶりに2兆円を割り込んでいます。また、新興市場では東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに5日続伸となっています。
2.個別銘柄等
2月決算企業の第1四半期決算発表がスタートするなか小売り株に大きく買われるもの、反対に大きく売られるものがみられました。昨日の取引終了後に発表した第1四半期決算で営業利益が3割増の大幅増益となったニトリホールディングス(9843)が一時10%高まで買われ上場来高値を更新したほか、3-5月期の営業利益が前年同期比5%増の140億円程度となり第1四半期として過去最高を更新した模様だと報じられたABCマート(2670)も一時3%近くまで上昇しました。一方で第1四半期の営業利益が1割減益となったスギホールディングス(7649)が一時5%以上下げたうえ、2017年5月期の業績見通しが市場予想を大きく下回ったクスリのアオキ(3398)も7%を超える下落となりました。また、第1四半期の営業利益が10%近い増益となったカジュアル衣料のアダストリア(2685)はほぼ予想された通りの結果だったことが失望となり7%以上の下げとなっています。小売り以外では外資系証券が投資判断を引き上げたヤマトホールディングス(9064)や、国内大手証券が目標株価を引き上げた味の素(2802)が大幅高となっています。新興市場では2016年5月期の業績予想を上方修正したGunosy(6047)が急伸し一時ストップ高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
英国のEU離脱を受けて先週末に急落した日経平均はその後5日続伸し、先週末の下げの5割強を取り戻す格好となっています。ただ、昨日から上値の重さも目立つなか先週末に形成した大きな陰線のなかでの動きとなっている日経平均が陰線をこのまま順調に上に放れることができるかが当面のポイントとなりそうです。今晩の米ISM製造業景況感指数をはじめ、来週末の米雇用統計など米国で重要な経済指標の発表が相次ぎます。英国のEU離脱のショックが一旦落ち着きをみせていることからマーケットの関心はこうした経済指標の結果に向かうことになりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)
中国株式市場
上海市場は小幅反発 香港市場は休場
上海総合指数:2,932.48(+2.87)
香港のハンセン指数:香港返還記念日につき休場
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発しました。中国人民銀行(中央銀行)が連日で市場へ資金を供給したことや、中国の6月の非製造業PMIが前月から改善したことを受けて上海総合指数は上昇して寄り付くと一時0.5%高余りまで買われました。しかし、上値が伸び悩むと徐々に上げ幅を縮める展開となりました。後場に小幅なマイナスに転じる場面もみられた上海総合指数は結局ほぼ横ばいで取引を終えています。
<香港市場>
香港返還記念日のため休場となりました。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)