市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

先週末の米国市場は欧州株高や経済指標の改善を受けて4日続伸 日本市場は5日続伸の後で軟調なスタートか

NYダウ: 17949.37  △19.38 (7/1)
NASDAQ: 4862.57  △19.90 (7/1)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場はECBの追加緩和期待による欧州株高や米ISM製造業景況感指数の改善を好感して続伸となりました。ダウ平均は取引開始後しばらくして70ドル高余りまで買われ節目の18,000ドルを回復する場面もありましたが、18,000ドルを僅かに超えたところで上値を押さえられると3連休を控えて様子見が強まるなか徐々に上げ幅を縮める展開となりました。結局ダウ平均は19ドル高の17,949ドルと小幅に上昇して取引を終えています。この結果4日続伸となったダウ平均は4日間で810ドル近く上昇し、英国のEU離脱決定後の急落(2日間で870ドルの下げ)をほぼ取り戻す格好となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も19ポイント高の4,862ポイントと4日続伸となっています。

2.経済指標等
6月の米ISM製造業景況感指数は53.2と前月から1.9ポイント上昇し市場予想を上回りました。一方で5月の米建設支出は年率換算で前月比0.8%減と2カ月連続のマイナスとなり増加を見込んでいた市場予想を下回っています。また、6月の米新車販売台数も年率換算で1666万台となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち一般消費財・サービスや電気通信サービス、ヘルスケアなどの7業種が上げました。一方で金融、生活必需品、公益事業の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向
大型バイクのハーレー・ダビッドソン(HOG)は米投資ファンドが買収を検討しているとの報道を受けて急伸しました。また、動画配信のネットフリックス(NFLX)が強気の投資判断を好感して大幅高となっています。フォード・モーター(F)は6月の米新車販売台数が市場予想を上回って増えたことで買われました。一方、決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、人員削減などでのコスト削減を明らかにした半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)が急落しています。天然ガス大手のウィリアムズ・カンパニーズ(WMB)も複数の取締役が退任すると明らかにしたことで経営の先行きが懸念され大きく下げました。

5.為替・金利等
長期金利は日欧で国債利回りの低下が続くなか相対的に利回りが高い米国債に買いが入り0.03%低い1.44%となりました。一時は1.37%まで低下し2012年7月に付けた1.38%を下回り過去最低を更新する場面もありました。こうしたなかドル円はやや円高に振れ朝方は102円台半ばでの推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅高に止まり、ドル円もやや円高となるなか、日経平均が5日続伸した後ということもあって本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか8時50分には企業の物価見通しが発表されます。これを受けて日銀の追加緩和への期待が一段と高まるかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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