マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は欧州株安や原油安で5日ぶりに反落 日本市場は欧米株安と円高で続落か
NYダウ: 17840.62 ▼108.75 (7/5)
NASDAQ: 4822.90 ▼39.67 (7/5)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はイタリアの銀行の信用不安などによる欧州株安や原油価格の下落を受けて5日ぶりの反落となりました。ダウ平均は取引開始直後から下げ幅を広げると、午後には一時160ドル安余りまで売られました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局108ドル安の17,840ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント安の4,822ポイントとなっています。
2.経済指標等
5月の米製造業受注は前月比1.0%減と3カ月ぶりに減少し市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業と生活必需品を除く8業種が下げました。なかでもエネルギーと素材が2%近く下落したほか、金融も1%を超える下げとなっています。
4.個別銘柄動向
米長期金利の低下が続くなか利ざや縮小が懸念され金融株が売られました。JPモルガン・チェース(JPM)が3%近く下落し、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、バンク・オブ・アメリカ(BAC)やシティグループ(C)なども下落しています。また、原油価格の下落を受けてエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)も下げました。さらに1株利益が市場予想を下回ったカーレース場運営などを手掛けるインターナショナル・スピードウェイ(ISCA)が大幅安となっています。一方で米食品医薬品局(FDA)が食欲不振や拒食症を治療する新薬の販売を認可したと発表したことで製薬のインシス・セラピューティクス(INSY)が大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は英国やドイツ国債の利回りが過去最低水準を付けるなか0.07%低い1.37%となりました。一時1.35%台まで低下し過去最低を更新する場面もありました。ドル円は欧米株安を受けて安全通貨とされる円を買う動きが優勢となり円高に振れました。朝方は101円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
欧米株安に加え、ドル円も円高となっていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が引けで節目の15,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)