マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
円高進行を嫌気し日経平均は290円安と大幅続落
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は290円安の1万5378円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の欧米市場が下落し、ドル円が101円台前半まで円高に振れたことを受け日経平均は234円安と大きく続落して寄り付きました。ドル円が100円台まで円高に振れたこともあり、前場の日経平均はほとんど反発することなく一本調子で下落すると一時は下げ幅が500円を超す場面もありました。前場を463円安で終えた日経平均は、後場に入ると徐々に下げ幅を縮めました。14時半頃からさらに下げ幅を縮めた日経平均は結局290円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆2304億円と4営業日ぶりに2兆円の節目を上回りました。東証33業種は水産・農林業、パルプ・紙、食料品、陸運業の4業種が上昇しました。内需ディフェンシブセクターや円高が業績のメリットになりやすい業種が買われました。一方、その他金融業やゴム製品、証券商品先物など29業種は下落しました。
2.個別銘柄等
売買代金上位の主力銘柄は下げた銘柄が多かったものの、一部ディフェンシブ銘柄には堅調な値動きもみられました。東証1部の売買代金トップのトヨタ自動車(7203)は1.7%安で、売買代金2位の三菱UFJ(8306)は3.6%安ときつい下げとなりました。その他にも三井住友(8316)、ソフトバンクグループ(9984)、みずほ(8411)などが軟調でした。一方ブイ・テクノロジー(7717)が3日続伸したほか、NTT(9432)やNTTドコモ(9437)の通信2社が堅調でした。また、KDDI(9433)も0.4%安と比較的小幅な下げにとどまりました。材料が出たところでは、キユーピー(2809)が12%超の大幅高となりました。国内証券が目標株価を引き上げたことが好感されました。また、スマートフォン向けゲームを展開するKLab(3656)も8.5%の大幅上昇となりました。主力ゲームがアプリの売り上げランキングの首位に浮上したことから業績拡大期待が高まりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は安値からは下げ幅を縮めたものの円高進行を嫌気して大幅安となりました。ドル円が100円台まで円高に振れている状況ではなかなか買い意欲が高まらなさそうです。ただ、政府による為替介入などが突発的に行われる可能性もあることから、急激な買い戻しにも注意を払いたいところです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は4日続伸 香港市場は大幅続落
上海総合指数:3,017.29(+10.90)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,392.35(-358.37)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は4日続伸となりました。中国人民銀行による人民元の対ドルレートの基準値が大幅な元安に設定され資本流出懸念が意識されたことや、昨日に2カ月半ぶりに節目の3,000ポイントを回復していたこともあって利益確定売りも出やすく3,000ポイントを割り込んで下落してスタートした上海総合指数は一時0.7%安まで売られる場面がありました。しかし、徐々に買い戻されると後場にはプラスに転じ節目の3,000ポイントを回復して0.4%高で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は大幅続落となっています。イタリアの銀行の信用不安などによる欧米株安を受けて一時2%安超まで売られたハンセン指数は上海総合指数が持ち直したことを受けて下げ幅をやや縮めているものの、引き続き大幅安で推移しています。日本時間16時時点で4業種全てが下げ、なかでも商工業株指数と金融株指数、不動産株指数が1%以上の下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面安となっています。英資産運用会社が不動産ファンドの解約を相次いで停止したのを受け英国に本拠地を置く大手銀行のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が下落しているほか、保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)も売られています。また、シンガポールの地下鉄運営会社が車体と連結部にひびが見つかった問題で中国製車両26両を修理のため製造元の中車四方に返送すると発表したことを受けて親会社のCRRC (中国中車・01766)が売られています。さらに一時5%高近く上昇した中国不動産最大手のチャイナバンカ (万科企業・02202)は外資系証券が目標株価を引き下げたことを嫌気して上げ幅を大きく縮めています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)