マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は経済指標の改善を好感して反発 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 17918.62 △78.00 (7/6)
NASDAQ: 4859.16 △36.26 (7/6)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は反発しました。欧州株安を受けて下落して始まったダウ平均はしばらくして130ドル安近くまで売られましたが、経済指標の改善を好感して下げ幅を縮めると昼過ぎにプラスに転じその後は上げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は78ドル高の17,918ポイントと高値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も36ポイント高の4,859ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月の米ISM非製造業景況感指数は56.5と前月の52.9から改善し市場予想を上回りました。6月開催分の米連邦公開市場委員会は(FOMC)議事要旨では、米雇用情勢の不透明感が強まったとして利上げ前に追加のデータを見定めるのが賢明だと判断していたことや、英国のEU離脱を問う国民投票を控え影響を見極めることが望ましいと判断していたことが明らかとなり、参加者が早期の追加利上げに慎重な姿勢を示していたことが分かりました。5月の米貿易収支の赤字額は前月比10.1%増の411億4400万ドルとなり市場予想を上回って赤字が拡大しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちヘルスケアや一般消費財・サービス、エネルギーなどの8業種が上げ、ヘルスケアが1%を超える上昇となりました。一方で電気通信サービスと生活必需品の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
英投資会社への身売りを発表した住宅設備のノルテック(NTK)が買収額にさや寄せする格好で急伸し、製薬大手などと身売りなどの交渉を始めたと発表したバイオ製薬のメディベーション(MDVN)も堅調でした。また、金価格の上昇を受けてニューモント・マイニング(NEM)など金鉱株が買われました。一方、四半期決算で売上高が市場予想を下回ったドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が売られ、投資判断の引き下げを受けてアメリカン航空(AAL)やデルタ航空(DAL)なども下げています。
5.為替・金利等
長期金利は前日比変わらずの1.37%となりました。一時は1.31%まで低下し過去最低を更新する場面もありました。ドル円は100円20銭近辺まで円高に振れる場面もありましたが、米経済指標の改善を受けてドルが買い戻されました。朝方は101円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株は上昇する一方で、欧州株が大きく下げるなど、強弱の材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか円高への警戒感が強いことから本日も日中はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)