マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
経済対策期待高まり日経平均は601円の大幅高
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は601円高の1万5708円と5日ぶりの大幅反発となりました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末の米国市場が大きく上昇したこと、また週末の参議院選挙で与党が大勝したことなどを受け、日経平均は268円高の1万5375円と大きく反発して寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きから14時半頃までほぼ一貫して上げ幅を広げる堅調な展開でした。寄り付き後に上げ幅を拡大し、まもなく1万5500円の節目を回復した日経平均は、その後も徐々に上げ幅を広げると結局前場を535円高で終えました。後場に入って安倍総理大臣が12日にも経済対策の指示を出すと報じられると100円台後半で推移していたドル円が101円台半ば近くまで円安に振れ、日経平均も一段高となりました。一時は上げ幅を700円超まで広げた日経平均ですが、引けにかけてやや上げ幅を縮めると601円高での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆1291億円と2兆円の節目を上回りました。東証1部の値上がり銘柄数は1,897と全体の96%超に及ぶ全面高の展開で、東証33業種も全て値上がりとなりました。中でも先週末に引き続き任天堂(7974)が上昇を牽引したその他製品は10%超の大幅高となっています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った任天堂は24.5%の大幅上昇で、一時はストップ高となる場面がありました。任天堂は本日までの3日間で4割超上昇しています。引き続き米国で公開したスマートフォン向けゲームに大ヒットの兆しがあることが材料視されています。その他の売買代金上位銘柄も軒並み大きく上昇しました。トヨタ自動車(7203)が5%近く上昇したほか、三井住友(8316)、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、ソフトバンクグループ(9984)、みずほ(8411)などがいずれも上昇しました。その他材料が出たところでは、関西地区を中心にドラッグストアを展開するキリン堂ホールディングス(3194)が9%近い大幅安となりました。先週末に発表した3-5月期の営業利益が前年同期比で46%超の減益となったことが嫌気されました。一方、アパレル大手のオンワードホールディングス(8016)は8%超の大幅高となりました。3-5月期の営業利益が12.3%の増益と堅調だったことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
雇用統計の非農業部門雇用者数の上振れとそれを好感した米株高、与党の選挙勝利、経済対策の策定期待などの好材料が重なり日経平均は大幅高となりました。今後は安倍総理大臣が明日にも指示すると報じられている経済対策の具体的な内容に注目が集まるとみられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅反発 香港市場は大幅反発
上海総合指数:2,994.92(+6.82)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,846.35(+282.18)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発しました。元高などを好感して上昇して始まった上海総合指数はしばらくして節目の3,000ポイントを回復すると一段高となり一時1.2%高まで買われる場面もみられましたが、その後上値が伸び悩むと後場に入り上げ幅を急速に縮めました。結局、上海総合指数は0.2%高と小幅な上昇に止まっています。
<香港市場>
ハンセン指数は大幅に反発しています。先週末の欧米株高を受けて大きく上昇して寄り付いたハンセン指数は、上海総合指数が節目の3,000ポイントを回復したことを好感してまもなく2%高近くまで買われました。その後、上海総合指数が弱含んだことでハンセン指数も上げ幅をやや縮めていますが引き続き堅調に推移しています。日本時間16時時点で4業種全てが上げ、なかでも金融株指数と商工業株指数、不動産株指数が揃って1%以上上昇しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面高となっています。6月の不動産販売額が前年同月比66%増となったと発表したシノオーシャンGP (遠洋集団・03377)が上昇しています。また、先週発表された米雇用統計が好調も米国の年内利上げの公算は低いとの見方から、香港系不動産のサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)やニューワールド・デベロップ(新世界発展・00017)も買われています。さらに、外資系証券による強気の投資判断を受けて中国港湾運営大手のチャイナマーチャンイ (招商局国際・00144)が3%以上上昇しています。
一方で、大株主であるスペインの通信大手テレフォニカによる保有株の売却が明らかとなった中国通信大手のチャイナユニコムホン (中国聯通・00762)が軟調となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)