マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は続伸 S&P500は史上最高値を更新 日経平均は16,000円を回復か
NYダウ: 18226.93 △80.19 (7/11)
NASDAQ: 4988.64 △31.88 (7/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は先週末の米雇用統計の改善が引き続き好感されるなか、アジアや欧州の株高もあって続伸となりました。ダウ平均は昼過ぎに140ドル高近くまで買われると、午後に上げ幅をやや縮めたものの、結局80ドル高の18,226ドルと連日で年初来高値を更新して取引を終えています。この結果、ダウ平均は昨年5月19日に付けた史上最高値(18,312ドル)まで後85ドル余りとなっています。また、S&P500株価指数は7ポイント高の2,137ポイントとなり、こちらは昨年5月21日に付けた史上最高値(2,130ポイント)を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も31ポイント高の4,988ポイントとなり年初来高値を更新しました。一時は節目の5,000ポイントを回復する場面もみられました。
2.経済指標等
6月の米労働市場情勢指数(LMCI)はマイナス1.9となり前回のマイナス4.8から改善したものの、市場予想は下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち情報技術や金融、資本財・サービスなどの7業種が上げました。一方でヘルスケアと公益事業、電気通信サービスの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。今後20年の商用航空機需要の見通しを前回から引き上げたボーイング(BA)が1%を超える上げとなりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)とインテル(INTC)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も1%以上の上昇となっています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、メルク(MRK)の3銘柄が小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではパイプラインの一部を売却し負債を圧縮すると発表した石油・天然ガスのパイプラインのキンダー・モルガン(KMI)が大幅高となったほか、日医工(4541)が買収を発表した後発薬メーカーの米セージェント・ファーマシューティカルズ(SGNT)が買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。なお、取引終了後に決算を発表した非鉄大手のアルコア(AA)は決算が市場予想ほど落ち込まなかったことから時間外で一段高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は株高を受けて安全資産の米国債が売られ0.07%高い1.43%となりました。ドル円は円安の流れが続き102円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高と円安を受けて本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の16,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうで、引けで16,000円を回復できるかが注目されます。また、東証1部の売買代金が2兆円を超えてどこまで膨らむのかもポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)