マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均386円高と大幅に続伸 任天堂や金融株の上げ目立つ
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は386円高の1万6095円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日S&P500が史上最高値を更新するなど米国株が堅調で、ドル円が102円台後半まで円安に振れたことを受け日経平均は252円高の1万5961円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も上げ幅を広げるとまもなく1万6000円の節目を回復しました。その後も上げ幅を広げた日経平均は10時半過ぎに一時530円高近くまで上げ幅を広げました。ただ、昨日からの上げ幅が1,100円を超え警戒感も出たのか日経平均は利益確定売りに押されてその後徐々に上げ幅を縮めました。前場を415円高で終えた日経平均は後場に入ると高値圏でのもみ合いとなりました。引けにかけてやや上げ幅を縮めた日経平均は結局386円高の1万6095円と、6月23日以来約半月ぶりに1万6000円の節目を回復しました。東証1部の売買代金は2兆7742億円と活況でした。東証33業種は食料品を除く32業種が上昇しました。本日も大きく上昇した任天堂(7974)が上昇を牽引したその他製品が上昇率トップとなったほか、その他金融業、銀行業、証券商品先物、保険業など金融関連業種の上昇が目立ちました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った任天堂は12%超の上昇で4日続伸となりました。まもなく日本でもリリースされると報じられているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」への期待から買われており、4日間の上昇率は60%近くとなっています。また、任天堂の売買代金は3088億円と東証1部全体の1割強となりました。その他の任天堂関連銘柄も賑わいました。同社の株主である京都銀行(8369)が9%近く上昇したほか、子会社が「ポケモンEXPOジム」を運営している造船会社のサノヤスホールディングス(7022)がストップ高となりました。また、本日は金融株の大幅上昇がひときわ目を引きました。メガバンク3行が揃って5%台の大幅高となったほか、三井住友トラスト・ホールディングス(8309)が8%超上昇しました。野村ホールディングス(8604)が3.6%高、大和証券グループ本社(8601)が7%高近く上昇と証券株も堅調でした。東京海上ホールディングス(8766)、第一生命(8750)、MS&ADインシュアランスグループ(8725)などの保険株もそれぞれ大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日に引き続きリスクオフからの巻き戻しで日経平均は大幅高となりました。今年に入ってパフォーマンスの冴えなかった銀行株などの買い戻しが目立っています。日経平均は昨日からの2日間で1,000円近く上昇しており、1万6000円の節目も回復したことからやや利益確定売りが出やすい局面となりそうです。ここからさらなる株高となるためには現在103円程度で推移しているドル円が105円を超えて円安に振れることが必要になるかもしれません。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場と香港市場はともに大幅続伸
上海総合指数:3,049.38(+54.46)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21,112.74(+232.24)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に続伸となりました。小幅に下落して始まった上海総合指数ですが、しばらくして節目の3,000ポイントを回復し一時0.9%高近くまで買われました。その後上値追いとはならず再び3,000ポイントを割り込み一時マイナスに転じましたが、すぐに持ち直し後場に入るとだれることなくその後は上げ幅を広げる展開となりました。引けにかけて一段高となった上海総合指数は結局、節目の3,000ポイントを回復し1.8%高とほぼ高値引けとなりました。
<香港市場>
ハンセン指数も大幅に続伸しています。前日の欧米株高の流れを受けて節目の21,000ポイントを回復して寄り付くとまもなく1%高近くまで買われたハンセン指数ですが、利益確定の売り圧力や明日の中国の6月貿易統計の発表を控えてポジション調整の動きもあって上げ幅をやや縮めると一時21,000ポイントを割り込む場面もありました。但し、後場に入ると上海総合指数が強含んだことで買い戻されると上げ幅を広げています。日本時間16時時点で4業種全てが上げ、なかでも不動産株指数や金融株指数、商工業株指数が揃って1%超上昇しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国国有旅行会社大手のチャイナトラベル (香港中旅・00308)が大きく買われ8%近く上昇しています。親会社の中国港中旅集団が同業大手の中国国旅と戦略的再編を計画していると発表したことが材料視されました。また、親会社による持ち株比率の引き上げを受けて石炭のシェンホアエネルギー(中国神華能源・01088)も大幅に上昇しています。さらに、6月の不動産販売額が前年同月比54.1%増だったと発表したリソーシズランド (華潤置地・01109)や、外資系証券による強気の投資判断を受けたロンフォープロパティ (龍湖地産・00960)も買いが集まっています。
一方で、連日で上場来高値を更新していたインターネット大手のテンセント (騰訊控股・00700)が利益確定売りから軟調に推移していましたが、16時時点ではほぼ横ばいまで値を戻しました。また、原油価格の下落などからクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)が2%を超える下げとなっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)