マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は続伸 ダウ平均は約1年2カ月ぶりに史上最高値を更新 日本市場も米国株高と円安で続伸か
NYダウ: 18347.67 △120.74 (7/12)
NASDAQ: 5022.82 △34.18 (7/12)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は市場のセンチメントが大きく好転するなか、アジアや欧州の株高や原油高を受けて続伸となりました。取引開始直後から大きく上昇したダウ平均は120ドル高余りまで買われると一旦伸び悩み上げ幅を縮める場面もありましたが、しばらくして切り返すと取引終盤には145ドル高まで上昇しました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局120ドル高の18,347ドルと3日続伸となり、昨年の5月19日に付けた史上最高値(18,312ドル)を約1年2カ月ぶりに更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も14ポイント高の2,152ポイントとなり連日で年初来高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も34ポイント高の5,022ポイントと5日続伸となり、終値で節目の5,000ポイントを昨年の12月31日以来およそ6カ月半ぶりに回復しています。
2.経済指標等
5月の米卸売在庫は前月比0.1%増と3カ月連続のプラスとなったものの、市場予想は下回りました。また、5月の米卸売売上高は前月比0.5%増となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち7業種が上げました。なかでもエネルギーが2%を超える上昇となったほか、素材も2%近く上げ、金融と情報技術も1%前後の上昇となりました。一方で公益事業と生活必需品、電気通信サービスの3業種が下げ、公益事業は1%以上の下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではゴールドマン・サックス(GS)が3%を超える上昇となったほか、デュポン(DD)やキャタピラー(CAT)、ナイキ(NKE)が2%以上上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では一部商品の値上げを発表したスターバックス(SBUX)が上げたうえ、バイオ製薬のセージ・セラピューティクス(SAGE)が新薬の良好な試験結果を受けて急伸しています。また、四半期決算が市場予想ほど落ち込まなかった非鉄大手アルコア(AA)も大幅高となっています。一方で四半期決算が市場予想に届かなかった工業・建設製品のファステナル(FAST)が大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は株高を受けて安全資産の米国債が売られ0.08%高い1.51%となりました。ドル円はリスク回避姿勢が大きく後退するなか大幅に円安が進み、105円手前まで円安に振れる場面もありました。朝方は104円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
ダウ平均が史上最高値を更新した米国株高や円安を好感して本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の16,500円を回復し、一目均衡表の雲の下限(16,542円)を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。また、日中に中国の貿易統計が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)