マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均135円高と3日続伸もやや上値の重さが意識された1日に
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は135円高の1万6231円と3日続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が上昇して史上最高値を更新するとともに、ドル円が104円台後半まで円安に振れたことを受け日経平均は247円高の1万6343円で寄り付きました。昨日までの勢いが続き、日経平均は10時頃に350円高近くまで上げ幅を広げました。ただ一昨日からの上げ幅が1,300円超まで達して警戒感が強まったのか、日経平均はその後上げ幅を縮めました。菅官房長官が、通称「ヘリコプターマネー政策」について検討している事実はないという趣旨の発言を行ったことなども重石となり、日経平均は後場に入っても上げ幅を縮める展開となりました。結局日経平均は3日続伸したものの、本日の安値圏での大引けとなりました。なお、本日日経平均は0.8%高、TOPIXが1.1%高だったのに対し、大型株で構成されるTOPIXコア30の上昇率は1.6%と大型株の上昇が目立った1日でした。東証1部の売買代金は2兆8916億円と連日で2兆円台後半の高水準でした。東証33業種は4%近い上昇で上昇率トップとなった銀行業など25業種が上昇しました。一方でその他製品が2%近い下落となったほか陸運業、医薬品、食料品など一部ディフェンシブセクターは下落しました。
2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は大きく上昇した銘柄が目立ちました。東証1部の売買代金トップの任天堂(7974)こそ4.4%安と5日ぶりに反落しましたが、トヨタ自動車(7203)は3.4%高となったほかメガバンク3行は3%台後半から5%台前半の大幅上昇となりました。その他ブイ・テクノロジー(7717)、村田製作所(6981)、富士重工業(7270)などが大きく上昇しています。また、シャープ(6753)と入れ替えで日経平均に採用されることが発表されたヤマハ発動機(7272)は10%近い大幅高となっています。その他材料が出たところでは、低価格のファミリーレストランを展開するサイゼリヤ(7581)が7.3%の大幅上昇となりました。第3四半期までの営業利益が前年同期比17.5%増と堅調だったこと、また自社株買いを行うと発表したことが好感されました。一方育児用品のピジョン(7956)は8%超下落しました。外資系証券が投資判断を引き下げたことが嫌気されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は3日続伸したものの高値からは200円以上上げ幅を縮めるなどやや上値の重さが意識された1日でした。明日以降も引き続きドル円動向を睨みながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場と香港市場はともに小幅続伸
上海総合指数:3,060.69(+11.31)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21,317.51(+92.77)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に続伸となりました。李克強首相が昨日に「底堅い内需を背景に4-6月期も安定した成長を続けた」と発言したことや元高などが好感され買いが先行した上海総合指数ですが、15日に発表予定の4-6月期の実質国内総生産(GDP)など主要経済指標の発表を見極めたいとの思惑に加え、指数が約3カ月ぶりの高値を回復したことで利益確定売りも出やすく上値が伸び悩むとプラス圏での小動きが続きました。後場に一時マイナスに転じる場面もみられた上海総合指数ですが、引けにかけに買い戻され上げ幅をやや広げると結局0.4%近く上昇して取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数も続伸しています。ダウ平均やS&P500など米国の主要指数が史上最高値を更新したことを受けて投資家のセンチメントが改善し、ハンセン指数は上昇して寄り付くとしばらくして1%高まで買われました。その後利益確定売りに押され上げ幅をやや縮小したものの、引き続き堅調な推移となっています。日本時間16時時点で不動産株指数や金融株指数、商工業株指数が揃って上昇している一方、公益事業株指数が小幅に下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、1-6月期の新規受注額が18%増だったと発表した中国のインフラ建設大手のレールウェイコンストラクション (中国鉄建・01186)が大幅に上昇しています。また、中国の航空機リース会社のCALC (中国飛機租賃・01848)が買われています。中国製ジェット旅客機のインドネシア市場への投入計画が引き続き材料視されました。さらに、外資系証券が強気の投資判断を維持したリーニン (李寧・02331)も上昇しています。
一方で、通信大手のチャイナモバイル (中国移動・00941)がCICC (中金公司・03908)の株式を大量に売り出したことが明らかになったことが嫌気され、CICCが2%超下落しているほか、チャイナモバイルも小幅に下げています。また、特段の材料出たわけではありませんが、商社のリーアンドフン (利豊・00494)も大きく売られています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)