マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均円安進行を受け4日続伸 任天堂と関連株の賑わい続く
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は154円高の1万6385円と4日続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで、ドル円も104円台前半で昨日とほぼ同水準だったことから日経平均は10円高の1万6242円と小動きで寄り付きました。日経平均はまもなく2円安とわずかにマイナスとなりましたがすぐにプラスに転じるとその後は徐々に上げ幅を広げました。前場を123円高とその時点の高値圏で終えた日経平均は、後場に入ってしばらくは前引け水準での推移が続きました。14時半過ぎに本田悦朗駐スイス大使が、以前にバーナンキ前FRB議長が政府による永久債の発行とその日銀引受を大使に提案したという趣旨の発言を行ったと伝わると104円台後半で推移していたドル円が105円を突破し、日経平均も一段高となりました。日経平均は一時167円高まで上昇した後引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが1日の高値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆4920億円と5営業日連続で2兆円の節目を上回っています。東証33業種は任天堂(7974)が上昇を牽引したその他製品が7%超上昇したほか、繊維製品やゴム製品など29業種が上昇しました。一方で証券商品先物、海運業、銀行業、パルプ・紙の4業種が下げています。
2.個別銘柄等
昨日は反落した任天堂ですが、本日は16%近い大幅高で年初来高値を更新しました。引き続き米国でスマートフォン向けゲームの「ポケモンGO」が大ヒットしていることや、その「ポケモンGO」の日本でのリリースがまもなくとされていることに期待が高まっているようです。なお、任天堂の売買代金は約4300億円と東証1部全体の約17%に達しました。関連銘柄も賑わっており、「ポケモンGO」の制作している米企業に出資しているとしてフジ・メディア・ホールディングス(4676)が一時ストップ高まで買われるなど終値でも14%の大幅高となりました。その他にもサノヤスホールディングス(7022)やイマジカ・ロボットホールディングス(6879)などが関連銘柄としてそれぞれストップ高となりました。一方で今後「ポケモンGO」に利用顧客を奪われることが懸念されてか、ミクシィ(2121)やガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)、グリー(3632)、コロプラ(3668)などのスマートフォン向けゲームを手がけている銘柄がそれぞれ6%~12%程度の大幅安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
円安や任天堂の活況などから日経平均は4日続伸しました。市場のセンチメントは非常に好転しており、今後もヘリコプターマネーや日銀の追加金融緩和への期待が市場の下支えとなりそうです。一方で日経平均は4日間で1,300円近く上昇しているとあって、一定の利益確定売りが出ることへの警戒も必要でしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅反落 香港市場は4日続伸
上海総合指数:3,054.02(-6.67)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21,503.98(+181.61)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反落となりました。昨日に発表された6月の中国の貿易統計が輸出入ともに減少したことが嫌気され上海総合指数は下落して始まると一日を通してマイナス圏での推移となりました。一時0.8%安まで下落する場面もあった上海総合指数ですが、引けにかけて持ち直すと結局0.2%安で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は4日続伸となっています。中国の冴えない貿易統計や原油価安などを受けて下落して寄り付いたハンセン指数は、その後持ち直すと昨日の終値を挟んで揉み合う展開がしばらく続きましたが、後場に入って上げ幅を広げる展開となっています。日本時間16時時点で金融株指数をはじめ、公益事業株指数や不動産株指数、商工業株指数が軒並み上昇しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、4-6月期が大幅増益となった小型モーター大手のジョンソン・エレクトリック(徳昌電機・00179)が大きく上昇しています。また、原油安がコスト削減につながると見方からキャセイパシフィック (キャセイ航空・00293)が1%を超える上げとなっています。さらに、イングランド銀行による金融緩和への期待から英国に本拠地を置く大手銀行のエイチエスビーシー (HSBC・00005)や保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)なども堅調となっています。
一方で、新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行すると発表したクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)が希薄化懸念から大きく売られているほか、中国の冴えない貿易統計を受けて商社のリーアンドフン (利豊・00494)も2%近く下げています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)