マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均111円高と5日続伸 金融株への買いが継続
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は111円高の1万6497円と5日続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で新興市場のマザーズ指数は4%の大幅安となりました。昨日の米国市場でダウ平均やS&P500が史上最高値を更新するなど外部環境が好転した一方で、昨日までの4日間で1,300円近く上昇しており警戒感も強かったのか日経平均は10円高の1万6396円と小動きで寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きが1日の安値となると、その後は上げ幅を広げました。寄り付き後に一時160円高あまりまで上昇した日経平均ですが、まもなく再び寄り付きの水準近くまで上げ幅を縮めました。ただ、日経平均はプラス圏で踏みとどまると再び上げ幅を広げました。前場を189円高とほぼその時点の高値で終えた日経平均は後場に入ると一段高となりました。一時は1万6600円台で推移する時間帯もありましたが、106円台前半で推移していたドル円が105円台まで円高に振れたこと、また日本市場は3連休を前にしていることもあってか日経平均は引けにかけて上げ幅を縮めると結局111円高での大引けとなりました。東証1部の売買代金は3兆1130億円と、英国の国民投票でEU離脱派が勝利して日経平均が1,286円の大幅安となった6月24日以来約3週間ぶりに3兆円を上回りました。東証33業種は保険業が4%超上昇して騰落率トップとなったほか、証券商品先物、銀行業、その他金融業など金融の上昇が目立ちました。
2.個別銘柄等
「ポケモンGO」への期待から任天堂(7974)の上昇の勢いは止まらず本日も東証1部の売買代金トップに入って10%近く上昇しました。売買代金2位には本日上場したスマートフォン向けメッセンジャーアプリを主力とするLINE(3938)が入りました。公募価格3,300円に対し初値は4,900円と約48%上昇しました。寄り付き後に5,000円まで上昇しましたが、終値は4,345円と初値からは11%強下落しました。その他トヨタ自動車(7203)やメガバンク3行なども堅調でした。ユニクロなどを運営するファーストリテイリング(9983)はストップ高となりました。昨日発表した9-5月期の営業利益は前年同期比23%減となったものの、3-5月の3ヶ月でみると前年同期比増益を確保したことなどで業績に復活の兆しがあると評価されました。また、大手証券が投資判断を引き上げたことも好感されました。その他材料が出たところでは、コーヒーショップ等を展開するドトール・日レスホールディングス(3087)が6%の大幅上昇となりました。3-5月期の営業利益が前年同期比8.2%増としっかりだったこと、大手証券が目標株価を引き上げたことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は続伸しましたがファーストリテイリングが大幅に上昇して日経平均を200円近く引き上げており、実質的に日経平均は下落しています。一方で銀行株を中心に金融関連株の買い戻しが継続しており来週も同様の傾向となるか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は1ポイント未満の上昇とほぼ横ばい 香港市場は小幅に続伸
上海総合指数:3,054.30(+0.28)
香港ハンセン指数(日本時間16時時点):21,601.23(+40.17)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は0.28ポイント高の3,054.30と1ポイント未満の上昇でほぼ横ばいでした。小幅に上昇して始まった上海総合指数ですが、1日を通して昨日の終値を挟んでもみ合いとなりました。日本時間午前11時に発表された4-6月期の実質国内総生産(GDP)は市場予想を上回りましたが、上海総合指数の反応は限定的でした。上海総合指数は後場に入って9ポイント安まで下落する場面がありましたが引けにかけて切り返し、結局わずかながらプラスに転じて取引を終えました。
<香港市場>
日本時間16時時点でハンセン指数は40ポイント高の21,601ポイントと小幅に続伸しています。米国株高を受け上昇して始まったハンセン指数ですが、寄り付き後まもなくマイナスに転じました。ただ、GDPなどの中国の主要経済指標が市場予想を上回る好内容だったことを受け、ハンセン指数はプラスに転じると一時は180ポイント高近くまで上昇しました。ただ、昨日まで4日続伸しており警戒感も出たのかハンセン指数はその後はやや上げ幅を縮めて推移しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
インターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)が連日で上場来高値を更新しました。また、韓国のサムスン電子が出資すると発表した電気自動車のビーワイディー (BYD・01211)も大幅に上昇しています。一方、中間決算が大幅減益となる見通しが明らかになった貨物埠頭の運営などを行うチャイナマーチャンイ (招商局国際・00144)は大きく下落しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)