マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は買いが続かずほぼ横ばい 任天堂はストップ安
日本株式市場
1.概況
本日の日本市場は小幅続落となりました。先週末の米国市場が小幅に反発したことや、ドル円も先週末に比べやや円安となっていたことで28円高の16,655円と小幅に上昇して寄り付いた日経平均は、106円台前半で推移していたドル円が106円台後半へと円安に振れたことから10時過ぎに一時150円高余りまで買われました。しかし、ドル円が再び106円台前半での推移となったことで上げ幅を縮め小幅高で推移すると、14時半ごろからは先週末の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。結局、日経平均は6円安の16,620円とほぼ横ばいで取引を終えています。一方で新興市場では東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均はともに反発となっています。なお、東証1部の売買代金は2兆314億円と2兆円をなんとか超えたものの、先週末からは大きく減少しています。
2.個別銘柄等
決算発表を受けて日本電産(6594)と富士通ゼネラル(6755)が買われました。日本電産はドル円の想定レートを110円から105円と円高方向に修正したにも関わらず、通期の業績予想を据え置いたことが好感されました。また、富士通ゼネラルは海外向け空調機の販売上積みに加え、円高に伴う海外工場からの輸入コスト減により通期の営業利益の見通しを220億円から240億円へと上方修正したことが好感されました。4-6月期の営業利益が前年同期比6%減の500億円前後だった模様との業績に関する観測報道があったマツダ(7261)も減益幅が市場予想よりも小さいとの見方から大幅高となりました。一方で大商いが続いてきた任天堂(7974)が急落しています。スマホ向けゲームの「ポケモンGO」の業績への影響を限定的と発表したことで売りが嵩みストップ安となったほか、ポケモン関連として物色されてきたサノヤスホールディングス(7022)とイマジカ・ロボットホールディングス(6879)もストップ安となっています。先週、ポケモンGOとのコラボレーションを発表し買われた日本マクドナルドホールディングス(2702)も急落しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は短期的な過熱感があるなか、重要なイベントを控え買いが続かずほぼ横ばいとなりました。しかし、先週の業績予想を据え置いた安川電機(6506)や日本電産の決算発表を受けて過度な決算への警戒感は後退しています。今週は決算発表が本格化しますが、円高による業績予想の下方修正も出てくるとみられるなか、引き続き決算をポジティブに受け止められるのかが、米FOMCや日銀の金融政策決定会合の結果とともに今週のポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)
中国株式市場
上海市場はほぼ横ばい 香港市場は小幅続落
上海総合指数:3,015.83(+3.01)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21,929.13(-35.14)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発しました。売りが先行した上海総合指数ですが、節目の3,000ポイント近辺まで下落するなか、中国当局が不動産税制の改革を進める方針などが伝わったことで不動産株が大きく買われプラスに転じました。一時0.5%高近くまで上昇しましたが、上値が伸び悩むと先週末の終値を挟んで揉み合う展開となり、結局ほぼ横ばいで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は小幅続落となっています。先週末の米国株高を受けて節目の22,000ポイントを回復してスタートしたハンセン指数ですが、高値警戒感が意識されるなか米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑もあって買いが続かず、しばらくして22,000ポイントを割り込むとマイナスに転じました。一時先週末の終値近辺まで持ち直す場面もみられたものの、引き続き軟調な展開となっています。日本時間16時時点で商工業株指数や不動産株指数、公益事業株指数が小幅に上昇する一方で、金融株指数が下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、先週大きく上昇したパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)が利益確定売りから2%余り下落しています。また、中間決算が大幅減益になる見通しを発表した小売のレンファスーパーマ (聯華超市・00980)が5%超下落しています。さらに、外資系証券による目標株価の大幅引き下げを受けて商社のリーアンドフン (利豊・00494)も小幅に下げています。
一方で、銀行のBOCホンコン (中銀香港・02388)が配当狙いの買いから2%近く上昇しています。インターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)も1%近く上昇し年初来高値を更新しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)