マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均大幅な円高進行を受け237円安と3日続落
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は237円安の1万6383円と大幅に下落し3日続落となりました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場が下落しドル円が105円半ば程度まで円高に振れたことを受け、日経平均は84円安の1万6535円で寄り付きました。注目されていた政府の経済対策の財政支出(真水)が今後数年間で6兆円となると報じられ金額が期待に届かない内容だったことも失望売りを誘ったのか、本日の日経平均は寄り付きが1日の高値となると、その後は徐々に下げ幅を拡大しました。10時頃に280円安近くまで下げ幅を広げた日経平均は、やや下げ幅を縮めたものの結局前引けは257円安となりました。後場に入ってもじりじりと下げ幅を広げた日経平均は、ドル円が一時104円台前半まで円高に振れたことがさらに売りを呼び、13時半頃に297円安と本日の安値をつけました。引けにかけてやや値を戻した日経平均は237円安での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆3278億円と2兆円を上回り昨日から増加しました。東証33業種は情報・通信業、その他製品、空運業の3業種のみ上昇しました。一方で証券商品先物、鉄鋼、鉱業など30業種が下げています。
2.個別銘柄等
昨日ストップ安となった任天堂(7974)は東証1部の売買代金トップに入って1.6%高と反発しました。5%超下げて寄り付いたものの、徐々に下げ幅を縮めるとプラスに転じて一時は3%近く上昇する場面もありました。円高進行を受け売買代金2位のトヨタ自動車(7203)などの自動車株は大きく売られました。一方で売買代金3位に入ったソフトバンクグループ(9984)は3%高となりました。傘下の米通信会社スプリント(S)の決算が市場予想を上回って昨日株価が大幅高となったことが好感されました。東芝(6502)が9%超の大幅安となりました。米子会社が係争状態にあることが業績不透明要因として意識されたようです。その他材料が出たところでは、PC周辺機器などを扱うメルコホールディングス(6676)が10%超の大幅高となりました。昨日発表した第1四半期の営業利益が12.7%増と好調だったことに加え、自社株買いの実施を発表したことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
円高進行を受け日経平均は大幅安となりました。連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合を控えて、明日以降もドル円動向を睨みながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場と香港市場ともに続伸
上海総合指数:3,050.17(+34.34)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,180.44(+187.00)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に続伸しました。小幅に下落して始まった上海総合指数ですが、中国人民銀行(中央銀行)による資金供給が投資家心理の支えとなったほか、創業板指数の上昇も好感され、しばらくしてプラスに転じるとその後は上げ幅を徐々に拡大する展開となりました。引けにかけてだれることなく一段高となり、結局上海総合指数は1.1%高とほぼ高値引けとなりました。
<香港市場>
ハンセン指数も小幅に続伸しています。昨日の米国株安と原油安の流れを受けて反落してスタートしたハンセン指数ですが、本土市場の堅調な値動きが下支えとなったほか、4-6月期の決算に対する過度の悲観の後退でマカオのカジノ株が大幅高となり、ハンセン指数全体を押し上げまもなく節目の22,000ポイントを回復すると上げ幅をさらに広げる展開となりました。後場に一時1.4%高まで買われたハンセン指数は、その後も高値圏での推移が続いています。日本時間16時時点で金融株指数や公益事業株指数、商工業株指数が1%超上昇しているほか、不動産株指数も1%近く上げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、本日の主役はカジノ株です。なかでもカジノのサンズチャイナ(金沙中国・01928)が約7%上昇しています。一般向けのカジノ収入が6月に前年同月比でプラスに転じたことや新リゾートホテル「パリジャン・マカオ」を9月に開業すると発表したことが材料視されました。同業のギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)もつれ高となっています。また、外資系証券が強気の投資判断を維持したことを受けて食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)が買われているほか、自動車のドンフォンモーター (東風汽車集団・00489)も外資系証券による強気の見通しから買いが集まっています。さらに、インターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)が続伸し、年初来高値を更新しています。
一方で昨日の原油価格の下落を受けてシノック(中国海洋石油・00883)が2%近く下落しハンセン指数の構成銘柄で値下がり率がトップとなっているほか、ペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)も1%近い下げとなっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)