マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はFOMCの結果発表を控え小幅に高安まちまち 日本市場は反発でのスタートか
NYダウ: 18473.75 ▼19.31 (7/26)
NASDAQ: 5110.05 △12.42 (7/26)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を翌日に控え様子見ムードが強いなか小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は続落となったものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反発しました。朝方は小幅に上昇する場面もあったダウ平均ですが、買いが続かずマイナスに転じると一時は100ドル以上下落しました。ダウ平均はその後下げ幅を縮める展開となったものの、結局戻し切れず19ドル安の18,473ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が0.7ポイント高の2,169ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は12ポイント高の5,110ポイントとなり年初来高値を更新しています。
2.経済指標等
7月のコンファレンス・ボード米消費者信頼感指数は97.3と前月から低下したものの、市場予想は上回りました。また、6月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比3.5%増の59万2千戸と2008年2月以来の高水準となり市場予想を上回っています。一方で5月の米S&Pケース・シラー住宅価格指数は主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数が前年同月比5.2%上昇しましたが、市場予想は下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち電気通信サービスや公益事業などの5業種が下げ、電気通信サービスは1%を超える下落となっています。一方で素材や資本財・サービス、情報技術などの5業種が上げています。
4.個別銘柄動向
決算が減収減益で売上高が市場予想に届かなかったマクドナルド(MCD)が4%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、1銘柄でダウ平均を40ドル近く押し下げています。また、携帯事業が低調で売上高が大きく減ったベライゾン・コミュニケーション(VZ)も2%近く下げ、決算で売上高が市場予想を下回った工業製品・事務用品のスリーエム(MMM)も下落しました。一方で決算は減収減益ながら市場予想ほど悪化しなかったキャタピラー(CAT)が5%以上上昇し大幅高となったほか、業績見通しの引き上げを好感して機械・航空機関連のユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も3%高となり、この2銘柄でダウ平均を50ドル近く押し上げました。なお、取引終了後に決算を発表したアップル(AAPL)は減収減益ながら1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大きく上げています。同じく取引終了後に決算を発表したツイッター(TWTR)は売上高が予想に届かず時間外で急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い1.56%となりました。ドル円は104円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は小動きで材料になりにくいものの、ドル円がやや円安となっていることや、新聞報道を受けての日銀の追加緩和への期待もあって本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。こうしたなか本日も日中はドル円の動向に神経質な展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)