マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均はほぼ横ばい 日本市場は明日に日銀の金融政策決定会合の結果発表を控え様子見か
NYダウ: 18472.17 ▼1.58 (7/27)
NASDAQ: 5139.81 △29.76 (7/27)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちでした。ダウ平均とS&P500株価指数は下落となったものの、ナスダック総合株価指数は続伸となりました。市場予想を上回るアップル(AAPL)の決算を好感して取引開始後しばらくして70ドル近くまで上昇したダウ平均ですが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を午後に控え買いが続かず昼前にマイナスに転じました。FOMCの結果発表直後にはやや下げ幅を広げる場面もありましたが、徐々に買いが優勢となると一旦50ドル高余りまで買われました。しかし、引けにかけて上げ幅を縮め結局1ドル安の18,472ドルと3日続落となりほぼ横ばいで取引を終えています。また、S&P500株価指数も2ポイント安の2,166ポイントと反落となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は時価総額の大きいアップルの大幅上昇を受けて29ポイント高の5,139ポイントと続伸となり年初来高値を連日で更新しています。
2.経済指標等
米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決め、声明文では経済見通しへの短期的なリスクは低減したとし、先行きに対してやや強気の判断を示しました。しかし、追加利上げの時期については明確な見通しを示しませんでした。6月の米耐久財受注額は前月比4%減と2カ月連続のマイナスとなり市場予想を下回っています。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注は0.2%増とプラスに転じ市場予想と一致しました。また、6月の米仮契約住宅販売指数は111.0と前月比0.2%上昇したものの、市場予想は下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち6業種が下げ、生活必需品と公益事業、エネルギーの3業種が1%を超える下落となりました。一方で情報技術や電気通信サービスなどの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
市場予想を上回る決算を発表したアップルが6%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、アップル1銘柄でダウ平均を40ドル余り押し上げています。また、決算は最終赤字となったものの、市場予想ほど悪化しなかったボーイング(BA)も堅調となっています。市場予想を上回る決算を発表したCATV最大手の米コムキャスト(CMCSA)も堅調でした。一方で低所得者向けの公的医療保険「メディケイド」の加入者数増などを受けて採算が悪化した医療保険大手のアンセム(ANTM)や、決算で売上高が大幅減収となった菓子大手のモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)が3%近く下げています。なお、取引終了後に市場予想を上回る決算を発表したフェイスブック(FB)が時間外で一段高となっています。
5.為替・金利等
長期金利はFOMCの声明文を受けてFRBが利上げに慎重な姿勢を変えていないとの見方から0.07%低い1.49%となりました。ドル円は105円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅に高安まちまちとなるなか、ドル円がやや円高となっていることもあって本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。本日もドル円の動向には神経質となりそうですが、明日に日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えていることから売り一巡後は様子見となる可能性もありそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)