マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均円高を嫌気して反落 明日はお昼ごろ発表の日銀の金融政策決定会合に注目
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は187円安の1万6476円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場が高安まちまちで材料になりにくいなかドル円が105円ちょうど程度まで円高に振れたことを受け、日経平均は68円安と反落して寄り付きました。その後もドル円がじりじりと円高に振れたこともあって日経平均は徐々に下げ幅を広げると、10時過ぎに214円安と本日の安値をつけました。ただ、日銀の金融政策決定会合を明日に控えるなか一方的な展開とはならず、日経平均はその後徐々に下げ幅を縮めると前引けは114円安まで値を戻しました。後場寄りから再び下げ幅を広げた日経平均ですが、その後は安値圏でのもみ合いといった格好になりました。結局日経平均は187円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆3738億円と本日も活況の目安とされる2兆円を上回りました。東証33業種は鉱業と繊維製品の2業種のみが上昇し、残る31業種は下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップは本日も任天堂(7974)で5.5%安と続落しました。朝方はプラス圏で推移する時間帯もありましたが、昨日の引け後に発表した決算が円高の影響で冴えなかったことに加え「ポケモンGO」の関連商品である「ポケモンGOプラス」の発売延期なども売りを誘いやすかったようです。売買代金2位のトヨタ自動車(7203)は0.1%安と比較的小幅な下げにとどまったものの、その他の売買代金上位銘柄は軟調な銘柄が目立ちました。JT(2914)が1.3%安となったほか、三菱UFJ(8306)が2%超、花王(4452)が1%超の下げとなりました。一方、昨日の大引け後に決算発表を行ったファナック(6954)は0.2%高としっかりでした。また、アルプス電気(6770)が10%超の急騰となりました。4-6月期の営業利益は前年同期比62.4%の減益と冴えなかったものの、市場予想を上回ったことで買い安心感が出たようです。また、本日の13時15分に決算発表を行った三菱電機(6503)は、今期の業績予想を下方修正したことが嫌気されて発表後に急落し終値では7.8%安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
円高進行を嫌気して日経平均は反落しました。明日のお昼ごろに結果が発表される日銀の金融政策決定会合で追加金融緩和が見送られるリスクが意識されたのかもしれません。明日の日本市場は日銀の政策発表待ちになりそうで、追加金融緩和があるのか、またあったとしてもその内容が市場の期待を超えるものであるかなどによって波乱の展開となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は反発もほぼ横ばい 香港市場は反落
上海総合指数:2,994.32(+2.32)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,155.47(-63.52)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反発したもののほぼ横ばいでした。中国証券当局による理財商品の監督・管理強化策が昨日から引き続き嫌気され続落して寄り付いた上海総合指数ですが、まもなく持ち直しプラスに転じると一時節目の3,000ポイントを回復しました。その後は上値追いとはならず再びマイナス圏に沈むと一時0.8%安まで売られたものの、すぐに買い戻されると再度節目の3,000ポイントに迫る場面もありました。但し、買いが続かず、結局上海総合指数は小幅に上昇して引けたもののほぼ横ばいで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は小幅に反落しています。原油価格の下落が重石となりハンセン指数は下落して寄り付くと一時0.6%安まで売られました。その後一時昨日の終値近辺まで持ち直す場面がみられたものの、本土市場の伸び悩みもあって引き続き軟調な推移となっています。日本時間16時時点で不動産株指数が1%近く上昇している一方で、金融株指数や商工業株指数、公益事業株指数が小幅に下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、原油価格の下落が嫌気されペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)やシノペック (中国石油化工・00386)といったエネルギー関連株が軟調に推移しています。また、外資系証券が投資判断を引き下げたことを受けて食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)が大幅に下落しています。さらに、朝方に発表された2016年5月中間決算が前年同期比6.3%の減益となった保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)が1%を超える下げとなっています。
一方で、外資系証券による強気の投資判断を受けて小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)が10%余り上昇し、ハンセン指数構成銘柄の上昇率トップとなっています。また、FOMCで賛成多数で政策金利が据え置かれたほか、声明文に9月利上げを示唆する内容が含まれなかったことからハンルンプロパティー (恒隆不動産・00101)やサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)などの香港系の不動産株も買われています。さらに、電気自動車のビーワイディー (BYD・01211)が電気バス受注台数の調整で発注者との合意ができたことが好感され一時1%上昇しましたが、上げ幅を縮めると小幅に下げています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)