マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日銀ETF買い入れ額の増額の追加緩和を決定 日経平均は乱高下して終値では92円高と反発
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は92円高の1万6569円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。朝方にドル円が一時103円台半ばまで円高に振れた後104円台後半まで戻すなど、日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えてドル円が乱高下するなか日経平均は117円安の1万6359円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後にプラスに転じる場面がありましたが、再びマイナスに転じるとその後はマイナス圏での推移が続きました。前場を65円安で終えた日経平均は、追加緩和発表への期待から後場寄りからプラスに転じました。12時44分頃に日銀がETFの買い入れ額を従来の3.3兆円から6兆円に拡大すると発表すると発表直後こそ急騰して上げ幅を200円超まで広げたものの、その後は追加緩和策がETFの買い入れ額拡大のみにとどまった失望からドル円が一時102円台半ばまで円高に振れ、日経平均も急速に上げ幅を縮めてマイナスに転じました。日経平均は一時300円余りまで下げ幅を広げた後プラスに転じ、再度300円安余りまで値を下げる非常に荒っぽい値動きとなりました。その後はマイナス金利幅の拡大が行われなかったことを好感して大きく上昇した銀行株が牽引する形で日経平均も下げ幅を縮めると、引けにかけてプラスに転じ結局92円高で大引けをむかえました。東証33業種は25業種が上昇しました。中でも銀行業が7%近い大幅上昇となったほか、保険業や証券商品先物も5%超の上昇と金融関連業種が大きく買われました。東証1部の売買代金は3兆2967億円と3兆円を超える大商いとなりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップは任天堂(7974)で、2%高と3日ぶりに反発しました。また、売買代金2位のトヨタ自動車(7203)も小幅に上昇しています。昨日決算を発表したソフトバンクグループ(9984)は、国内事業の安定成長などが評価され6%超の大幅高となっています。そして本日は銀行株の大幅上昇が際立ちました。三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)がともに7%台後半の上昇率となったほか、みずほ(8411)も5.7%高となりました。その他材料が出たところでは、4-6月期決算が市場予想を上回るとともに自社株買いを発表した野村ホールディングス(8604)が12.5%の大幅上昇となりました。一方、4-6月期の営業利益が73億円の赤字になるとともに、中間配当を無配にすると発表した新日鐵住金(5401)は4%近く下落しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日銀の追加緩和を巡って乱高下する1日となりました。日経平均はプラスで引けた一方でドル円は103円台半ばの円高水準にとどまっており、株式市場と為替市場で評価が異なっているような格好です。来週前半は改めて日銀の追加緩和に対する評価がどのように定まっていくかが注目ポイントと言えそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は反落 香港市場は大幅続落
上海総合指数:2,979.34(-14.98)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21,924.57(-249.77)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反落しました。反落して寄り付いた上海総合指数ですが、まもなく持ち直しプラスに転じると一時節目の3,000ポイントを回復しました。但し、週末ということもあって、その後は上値追いとはならず再びマイナス圏に沈むと後場に一時0.7%安まで売られる場面もありました。引けにかけてやや持ち直したものの、結局上海総合指数は0.5%安で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は大幅に続落しています。原油価格の下落を受けて小幅に下落して寄り付いたハンセン指数は、不動産株やエネルギー株が大きく売られたことで下げ幅を広げ節目の22,000ポイントを割り込みました。その後は日銀の追加緩和内容が市場予想に届かなかったこともあってかハンセン指数は下げ幅をやや広げています。日本時間16時時点で公益事業株指数が小幅に下落しているほか、金融株指数や商工業株指数、不動産株指数などが揃って1%超下げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、アルミニウム電解コンデンサーの製造販売などを手掛けるテックプロテクノロ (徳普科技発展・03823)は連日で急落しています。企業の不正などを調べて空売りする米グラウカス・リサーチ・グループが28日までに「業績を誇張している」などと主張する調査リポートを発表したことが引き続き嫌気されました。また、原油価格の下落を受けてペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)やシノペック (中国石油化工・00386)といったエネルギー関連株が軟調に推移しています。さらに、前日に11%上昇していた小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)や年初来高値を更新していた不動産のサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)なども揃って利益確定売りに押され反落しています。
一方で、中国自動車のグレートウォールモーター (長城汽車・02333)が大幅に上昇しています。2016年1-6月期連結決算で新車販売台数が45万200台と前年同期比8%増となったことが好感されました。また、石炭のシェンホアエネルギー(中国神華能源・01088)は配当狙いの買いから2%を超える上昇となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)