マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は小幅に高安 ダウ平均は5日続落 日本市場は円高で反落か
NYダウ: 18432.24 ▼24.11 (7/29)
NASDAQ: 5162.13 △7.15 (7/29)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は市場予想を大幅に下回るGDPを受けて米景気回復ペースの鈍さを意識した売りが出た一方で、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利上げ観測が後退したとの見方も出て小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は続落となったものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続伸となりました。下落して始まったダウ平均は85ドル安まで売られるとその後下げ幅を縮め昼ごろに小幅なプラスとなる場面もありましたが、上値は重く小幅安で推移すると結局24ドル安の18,432ドルと5日続落で取引を終えています。一方でS&P500株価指数が3ポイント高の2,173ポイントと続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数はグーグルを傘下に持つアルファベット(GOOG)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)の好決算を受けIT関連銘柄に物色が広がり7ポイント高の5,162ポイントと4日続伸となり連日で年初来高値を更新しています。
2.経済指標等
4-6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で1.2%増となり市場予想を大幅に下回りました。また、7月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は90.0と速報値から0.5ポイント上昇したものの、市場予想は下回っています。一方で7月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は55.8となり前月から悪化しましたが、市場予想は上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち電気通信サービスやエネルギー、公益事業などの7業種が上げ、電気通信サービスは1%を超える上昇となりました。一方で素材と資本財・サービス、金融の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
四半期決算が大幅な増収増益だったアルファベットやアマゾン・ドット・コムが買われ、アルファベットは3%を超す上昇となり大幅高となりました。また、四半期決算で業績が市場予想を上回った製薬のメルク(MRK)や、人員削減策を発表したマイクロソフト(MSFT)も買われました。製薬のアッヴィ(ABBV)やゼロックス(XRX)も決算が好感され上げています。決算は赤字だったものの売上高が市場予想ほど落ち込まなかったシェブロン(CVX)も買われました。一方でエクソンモービル(XOM)は四半期決算で業績が市場予想を下回ったことで下落しています。ハードディスクのウエスタン・デジタル(WDC)は7-9月期の利益見通しが予想を下回ったことから大幅下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は米GDPが市場予想を下回ったことで早期の米利上げ観測が後退し0.05%低い1.45%となりました。こうしたなかドル円は円高が進み一時102円を割り込む場面もありましたが、朝方は102円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円高を受けて反落でのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうです。また、本日は10時と10時45分に中国で二つの製造業PMIが発表され注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)