マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
一部銘柄が牽引し日経平均は66円高と続伸もTOPIXは下落とまちまち
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は66円高と続伸しました。JPX日経400や新興市場のマザーズ指数が上昇した一方でTOPIXは小幅安と主要指数はまちまちな値動きとなりました。先週末に発表された日銀の追加緩和が市場の期待以下に終わったこと、また米国の4-6月期GDPが市場予想を下回ったことなどからドル円は102円台前半まで円高が進みました。円高進行を受け、本日の日経平均は153円安と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に250円安まで下げ幅を広げましたが、売り一巡後に切り返すと徐々に下げ幅を縮めて10時過ぎに一時プラスに転じました。前場を81円高で終えた日経平均は後場に入って一時108円高まで上げ幅を広げましたがそれ以上の上値追いとはならず上げ幅を縮めると、13時半過ぎに再びマイナスに転じる場面もありました。その後引けにかけては持ち直し日経平均は結局66円高で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆4867億円と引き続き活況でした。東証1部の値上がり銘柄は508に対し値下がりが1,384と値下がり銘柄が多数となりました。東証33業種は銀行業や情報・通信業などの8業種が上昇しました。
2.個別銘柄等
本日も東証1部の売買代金トップは任天堂(7974)で2.5%安となりました。ただ、一時は1日の売買代金が7000億円を上回っていましたが、本日は1524億円まで減少しています。その他の売買代金上位銘柄は堅調な値動きが目立ちました。ソフトバンクグループ(9984)が4%高となったほか、三菱UFJ(8306)が4.3%高、三井住友(8316)が3.8%高、ファーストリテイリング(9983)が3.7%高などとなっています。なお、ソフトバンクグループとファーストリテイリングの2社で日経平均を75円押し上げています。また、4-6月期の業績が市場予想を上回ったソニー(6758)も1.7%高としっかりでした。その他材料が出たところでは、パナソニック(6752)が7%近い大幅安となりました。4-6月期の決算が減収減益で、営業利益が前年同期比12.6%減となったことが嫌気されました。また、NEC(6701)も11%超の大幅安となりました。4-6月期の営業利益が300億円近い赤字となったことで売られました。一方、飲食店情報などを提供するぐるなび(2440)は12%超上昇しました。こちらは4-6月期の営業利益が前年同期比20%近い増益で、堅調な業績が好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
大幅な円高進行にもかかわらず日経平均はやや意外感のある上昇ですが、東証1部全体の値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を大幅に上回っており日本市場全体としてはやや軟調でした。それでも指数が大きく下げなかったことは、明日詳細が発表される予定の政府の景気対策に対する根強い期待があるのかもしれません。また、今週は重要な経済指標が多く発表されます。今夜のISM製造業景況指数や5日の雇用統計など米国の経済指標に加えて、4日に英中銀の金融政策委員会が開催され利下げが行われるのではないかとみられています。引き続き多く発表される日本企業の決算と合わせて今週はそれらの重要経済指標が材料になりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は続落 香港市場は大幅反発
上海総合指数:2,953.39(-25.95)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,166.89(+275.52)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続落しました。朝方に発表された7月の中国の製造業PMIが49.9と市場予想に届かず前月から悪化したことが嫌気され上海総合指数続落して寄り付くと下げ幅を徐々に広げる展開となりました。後場に一時1.6%安まで売られる場面がみられましたが、その後やや持ち直し、結局上海総合指数は0.9%近く下落して取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は大幅に反発しています。前週末発表の米国の4-6月期の国内総生産(GDP)の伸び率が予想を大きく下回ったことでFRBによる早期の米利上げ懸念がやや後退したことから、ハンセン指数は節目の22,000ポイントを回復してスタートしました。上げ幅を広げると一時1.7%高近くまで買われたハンセン指数は、その後も堅調な推移となっています。日本時間16時時点で金融株指数と公益事業株指数が1%超上昇しているほか、商工業株指数及び不動産株指数も上げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、米国の追加利上げ観測の後退を受け、不動産大手のヘンダーソンランド (恒基不動産・00012)やハンルンプロパティー (恒隆不動産・00101)などの香港系不動産が買われています。また、銀行のコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)が不良債権の証券化改革などが好感され3%を超える上昇となっています。さらに、強気の投資判断を受けて保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)も堅調に推移しています。
一方で、原油安でシノック(中国海洋石油・00883)が下げているほか、前週に連日で史上最高値を更新していたインターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)も利食い売りが出て小幅に下落しています。また、ポルトガルの商業銀行に追加出資を発表したフォースンインター (復星国際・00656)は買いが先行しましたが、マイナスに転じています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)