マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は欧州株安や原油安を受けて下落 日本市場は米国株安と円高で続落か
NYダウ: 18313.77 ▼90.74 (8/2)
NASDAQ: 5137.73 ▼46.46 (8/2)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は欧州株安や原油安を受けて下落しました。徐々に下げ幅を広げる展開となったダウ平均は午後に156ドル安まで売られると、その後持ち直す展開となりましたが、結局90ドル安の18,313ドルとなり、およそ1年ぶりの7日続落で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数もアップル(AAPL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)やフェイスブック(FB)といった大型ハイテク株に利益確定の売りが出たことで46ポイント安の5,137ポイントと6日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
7月の米新車販売台数は年率換算で1788万台となり市場予想を上回りました。また、6月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.4%増となり市場予想を上回っています。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比1.6%上昇し市場予想と一致しています。 一方で6月の米個人所得は前月比0.2%増となりましたが、市場予想は下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち一般消費財・サービスや資本財・サービス、金融、情報技術など9業種が下げました。なかでも一般消費財・サービスが1%を超える下落となったほか、資本財・サービスも1%近い下げとなっています。一方でエネルギーが上げています。
4.個別銘柄動向
7月の米新車販売台数が低調だったことでゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター(F)がともに4%を超える大幅下落となりました。ファイザー(PFE)は決算で1株利益が市場予想を上回ったものの、材料出尽くしから利益確定の売りが出て下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。一方でメルク(MRK)やアラガン(AGN)が買収を模索していると伝わったバイオ製薬のバイオジェン(BIIB)が急伸したほか、決算が大幅増益となり市場予想を上回ったプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が小幅に上げています。
5.為替・金利等
長期金利は日本の長期金利が急上昇したのを受けて米国債も売られ0.03%高い1.55%となりました。ドル円は株安、債券安となるなか安全通貨とされる円が買われ円高が進みました。朝方は101円ちょうど前後での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円が大幅に円高に振れていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうで、日経平均は下げ幅を広げ節目の16,000円を試すような展開となるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)