市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均171円高と反発 イングランド銀行の金融政策委員会の結果に注目

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は171円高の1万6254円と反発しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で、新興市場のマザーズ指数は下落しました。昨日の米国市場が上昇したことを受け、日経平均は85円高と反発して寄り付きました。ただ、上昇の勢いは続かず徐々に上げ幅を縮めた日経平均は10時過ぎにマイナスに転じると、一時下げ幅を160円余りまで広げました。岩田日銀副総裁が「9月の金融政策決定会合で行われる予定の総括的検証について、特定の政策方向性を考えていない」という趣旨の発言を行ったことなどを受けドル円が100円台後半まで円高に振れたことが嫌気されたようです。その後は値を戻し前場を62円安で終えた日経平均は、後場寄りからプラスに転じました。しばらく小幅なプラス圏でもみ合った日経平均ですが、13時半過ぎから徐々に上げ幅を広げると引けにかけても一段高となり、結局171円高と1日の高値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆4633億円と昨日とほぼ同水準でした。東証33業種は証券商品先物が5%を超える上昇で上昇率トップとなったほか、海運業、非鉄金属、鉄鋼など景気敏感セクターを中心とした24業種が上昇しました。一方で食料品が2.5%安で騰落率最下位となるなどディフェンシブセクターを中心とした9業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入ったソフトバンクグループ(9984)こそ1%強下げたものの、その他の売買代金上位銘柄は概ね堅調な値動きとなりました。売買代金2位の任天堂(7974)は小幅に高かったほか、トヨタ自動車(7203)、メガバンク3行、ファーストリテイリング(9983)などがいずれも上昇しています。材料が出たところでは、昨日の大引け後に発表した4-6月決算が市場予想を大幅に上回ったスズキ(7269)が7%近い大幅高となりました。一方で4-6月期の営業利益は前年同期比で30.6%増と堅調だったものの材料出尽くしとなった明治ホールディングス(2269)は6%近い大幅下落となりました。本日はその他の食品各社もきつい下げが目立ち、カルビー(2229)が8%近く下落、森永製菓(2201)や雪印メグミルク(2270)が9%前後下落しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日本市場は前場と後場でまったく方向感の違う展開となりました。また、証券商品先物や海運業などが大きく買われた一方でディフェンシブセクターが大きな下げとなったことも特徴的でした。本日は英国で金融政策委員会が開催されます。イングランド銀行は利下げを行うのではないかと予想されており、金融緩和の有無や内容を受け欧米市場がどのような値動きとなるかが明日の日本市場に大きく影響しそうです。また、本日の大引け後にトヨタ自動車(7203)が4-6月期の業績発表とともに今期の業績予想を下方修正しました。明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は小幅続伸もほぼ横ばい 香港市場は反発

上海総合指数:2,982.43(+3.97)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21,851.65(+112.53)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に続伸したもののほぼ横ばいでした。中国国家発展改革委員会が政策文書から追加利下げに言及した部分を削除したことが嫌気され小幅に反落して寄り付いた上海総合指数は、下げ幅を広げると一時0.6%安まで売られました。その後は徐々に持ち直し後場に一時プラスに転じる場面もみられましたが、買いが続かず昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。引けにかけて買いがやや優勢となり、結局上海総合指数は0.1%高とほぼ横ばいで取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は反発しています。昨日の米株高と原油価格の上昇の流れを受けてハンセン指数は上昇してスタートしまもなく0.8%高まで買われました。本土市場の伸び悩みを受けてハンセン指数は一時上げ幅を0.2%高まで縮める場面がみられましたが、すぐに買い戻されるとその後も堅調な推移となっています。日本時間16時時点で金融株指数や商工業株指数、不動産株指数が上昇している一方、公益事業株指数が小幅に下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、原油価格の大幅反発が好感されシノック(中国海洋石油・00883)が3%超上昇しているほか、シノペック (中国石油化工・00386)も1%程度上げています。また、前日に発表された2016年1-6月期の決算が市場予想を上回ったことから外資系証券が投資判断を引き上げたことが好感され、大手銀行のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が2%以上値上がりしています。さらに、販売好調を背景に民営自動車メーカーであるジーリーオート (吉利汽車・00175)が一時5%超買われる場面もありましたが、日本時間16時時点で1%高余りとなっています。

一方で、目標株価の引き下げを受けてハンセンバンク (ハンセン銀行・00011)が1%超続落しています。また、特段の材料が出たわけではありませんが、食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)も2%を超える下げとなっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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