市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均1円未満の下落とほぼ横ばい 今夜は21時半発表の米雇用統計に注目

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は0.4円安の1万6254円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下げています。昨日イングランド銀行が利下げと資産購入枠を増額する金融緩和を決定したことを受け欧州の主要株価指数は上昇しました。一方米国市場は雇用統計の発表を前に様子見姿勢が強く、ほぼ横ばいでした。こうしたなか日経平均は24円高と小幅に高く寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を100円余りまで広げましたが、ドル円が101円台前半で推移するなか上値追いとはならずまもなく前日終値付近まで上げ幅を縮めました。マイナスに転じることなく踏みとどまった日経平均は、小幅なプラス圏でのもみ合いとなり結局前場を45円高で終えました。日経平均は後場寄りから小幅なマイナスに転じたものの、すぐに再びプラスに転じました。その後は今夜に米雇用統計の発表を控えていることもあってか大きな方向感は出ず、前日終値を挟んだもみ合いといった格好になりました。日経平均は結局1円未満のわずかな下落で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1988億円と昨日から減少しました。東証33業種は昨日に続いて証券商品先物が騰落率トップとなるなど、12業種が上昇しました。一方、水産・農林業や保険業など21業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップにはトヨタ自動車(7203)が入って3%近く上昇しました。昨日の大引け後に今期業績予想の下方修正を発表しましたが、4-6月期の営業利益は市場予想を上回ったため買われました。その他の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が目立ちました。任天堂(7974)が2.4%安となったほか、ソフトバンクグループ(9984)、メガバンク3行などがそれぞれ小幅に下げています。売買代金7位に入った大成建設(1801)は本日14時に行った4-6月期の決算発表で、前年同期比10%超の営業減益となったことが嫌気され5.3%安と売られました。その他材料が出たところでは、昨日発表した4-6月期の営業利益が前年同期比で188%増と市場予想を大幅に上回ったニコン(7731)が4.4%高と買われました。一方、昨日発表した平成28年6月期の営業利益が前期比30%近く減少し、平成29年6月期の第1四半期である7-9月期の営業利益は前年同期比77%減になるとの予想を発表したグリー(3632)は8.5%の大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
雇用統計の発表を前に様子見姿勢が強まり日経平均は1円未満の下落とほぼ横ばいでした。今夜は日本時間21時半に米雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数は市場予想では前月から18万人程度増加するとみられています。平均時給なども含めてもし全般に市場予想を大幅に上回る結果となれば、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ実施が意識される可能性があり、円安ドル高圧力となりそうです。一方で冴えない結果となれば、円高圧力が強まる可能性もあり注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は4日ぶりに小幅反落 香港市場は大幅続伸

上海総合指数:2,976.70(-5.73)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,112.67(+280.44)


1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は4日ぶりに小幅に反落しました。今週の中国人民銀行(中央銀行)の公開市場操作が3週ぶりに資金吸収超過へ転じたことが嫌気され上海総合指数は下落して寄り付くとしばらくして0.4%安近くまで売られました。その後は徐々に持ち直し一時プラスに転じる場面もみられましたが、積極的な買い材料に乏しいなか買いが続かず昨日の終値を挟んでもみ合う展開となりました。引けにかけて売りがやや優勢となり、結局上海総合指数は0.2%安で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は大幅に続伸しています。前日のイングランド銀行(英中央銀行)による大規模な金融緩和の決定に加え、欧州株が全面高となったこともあって買いが先行したハンセン指数は、上げ幅を広げるとしばらくして節目の22,000ポイントを回復しました。一時1.5%高まで買われたハンセン指数は、その後も引き続き高値圏での推移となっています。日本時間16時時点で4業種全てが上げ、なかでも不動産株指数が2%近く上昇しているほか、金融株指数と商工業株指数も1%以上の上げとなっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面高となり、特に金融と不動産株の上昇が目立っています。なかでもイングランド銀行による大規模金融緩和の決定を受けて大手銀行のエイチエスビーシー (HSBC・00005)や保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)などが堅調に推移しています。また、中国不動産大手のエバーグランド (中国恒大・03333)による株式取得がわかった中国不動産最大手のチャイナバンカ (万科企業・02202)が3%超上昇しています。エバーグランド (中国恒大・03333)も大きく買われています。1-6月期決算が市場予想ほど悪化しなかったカジノのエムジーエムチャイナ (美高梅中国・02282)も約3%値上がりしています。さらに、建設のチャイナレールウェイ (中国中鉄・00390)が1%超上昇しています。同社などが組成したコンソーシアム(企業連合)が地下鉄工事プロジェクトを受注したと発表したことが好感されました。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

バックナンバー


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

利益相反に関する開示事項

当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、ならびに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。