マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は大きく上昇 ナスダック総合株価指数が1年ぶりに史上最高値を更新 日本市場は米国株高と円安で反発か
NYダウ: 18543.53 △191.48 (8/5)
NASDAQ: 5221.12 △54.87 (8/5)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は良好な米雇用統計を受けて大きく上昇しました。取引開始直後から上げ幅を広げたダウ平均はその後も堅調に推移すると引けにかけて一段高となり191ドル高の18,543ドルと反発し高値引けで取引を終えています。また、S&P500株価指数が18ポイント高の2,182ポイントと3日続伸となり7月22日に付けた史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も54ポイント高の5,221ポイントと3日続伸となり昨年7月の史上最高値をおよそ1年ぶりに更新しています。
2.経済指標等
7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から25万5千人増え市場予想を大きく上回りました。また、5月が1万1千人増から2万4千人増に、6月は28万7千人増から29万2千人増にそれぞれ上方修正されました。失業率は前月と同じ4.9%で、平均時給は前年同月比2.6%増となり市場予想と一致しています。6月の米貿易収支の赤字額は前月比8.7%増の445億1000万ドルと昨年8月以来10カ月ぶりの高い水準となり、市場予想を上回る赤字額となりました。6月の米消費者信用残高は前月比123億1952万ドル増となったものの、市場予想は下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち8業種が上げ、金融と情報技術、一般消費財・サービス、資本財・サービスが1%を超える上昇となっています。一方で公益事業と電気通信サービスが下げ、公益事業は1%を上回る下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。なかでもメルク(MRK)が10%高と急伸しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。同業のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)が主力のがん免疫治療薬「オブジーボ」の進行肺がん患者に対する後期試験で症状の進行を遅らせることに失敗したと発表したことで競合薬を手掛けるメルクが買われました。ブリストル・マイヤーズスクイブは急落となっています。そのほかダウ平均構成銘柄ではJPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)、アメリカン・エキスプレス(AXP)が2%を超える上昇となり、この4銘柄でダウ平均を90ドル以上押し上げています。ダウ平均構成銘柄以外では四半期決算が市場予想を上回った旅行予約のプライスライン・グループ(PCLN)や食品のクラフト・ハインツ(KHC)が大幅高となっています。一方で利用者数の減少が続いていることでオンラインゲームのジンガ(ZNGA)が大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利は市場予想を大きく上回る米雇用統計を受けて0.09%高い1.59%となりました。ドル円は円安に振れ102円近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高や円安を受けて本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。本日も日中はドル円の動向をにらみながらとなりそうですが、こうしたなか日経平均が上値を伸ばして節目の16,500円を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)