マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は反落も「閑散に売りなし」で下げ渋り小幅安
日本株式市場
1.概況
本日の日本市場は先週末の米国市場でダウ平均が小幅に下落したことや、ドル円が円高に振れたことを嫌気して反落となりました。寄り付き前に発表となった4-6月期の日本の実質GDPは前期比年率換算で0.2%増と0.7%増を見込んでいた市場予想を下回りましたが、マーケットはそれにほとんど反応することなく、日経平均は先週末の日経平均先物の夜間取引の終値(16,820円)をやや上回る53円安の16,866円で寄り付きました。その後75円安まで下げ幅をやや広げた日経平均はそれ以上下げることなく底堅さをみせると、前場にはわずかなプラスとなる場面もみられました。しかし、さすが買い材料に乏しいなか先週末の終値近辺では上値が重く概ね小幅安で推移すると、結局、日経平均は50円安の16,869円で取引を終えています。こうしたなか東証1部の売買代金はお盆休みで市場参加者が少なく1兆5701億円と2兆円を大きく割り込んでいます。また、新興市場では東証マザーズ指数が4日続伸、日経ジャスダック平均が続伸となっています。
2.個別銘柄等
西日本を中心に猛暑が続いていることから飲料メーカーが買われました。なかでもキリンホールディングス(2503)が3%を超える上昇となったほか、サントリー食品インターナショナル(2587)も2%近く上げています。また、先週末の米国市場で出資するアリババ集団(BABA)が大幅高となったことを受けてソフトバンクグループ(9984)が大きく上げ年初来高値を先週末に続き更新しました。決算絡みでは本日の昼休み中に決算を発表した光通信(9435)が大幅増益となったことで午後に上げ幅を広げ9%以上の上昇となったほか、第1四半期が200億円の営業黒字に転じ、上期見通しを引き上げたことで先週末に大きく買われた東芝(6502)は本日も決算を好感した買いが続き大幅高となっています。一方で決算が大幅減益となった日本郵政(6178)、かんぽ生命保険(7181)、ゆうちょ銀行(7182)の日本郵政グーループ3社が揃って大きく売られました。通期の業績予想を下方修正したシチズンホールディングス(7762)も8%を超える下げとなっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は反落となりましたが、二桁の下落に止まり、お盆で薄商いとなるなか「閑散に売りなし」の相場格言通りに下げ渋る展開となりました。このように日経平均が底堅さをみせるなか、先週末に25日移動平均線と75日移動平均線がゴールデンクロスしたことで先高期待も高まりつつある日経平均が節目の17,000円や17,200円台にある200日移動平均線を回復できるかが当面のポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)
中国株式市場
上海市場は節目の3,100ポイント回復 香港市場は4日続伸
上海総合指数:3,125.20(+74.53)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,946.49(+179.58)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅続伸となり節目の3,100ポイントを回復しました。深セン・香港両市場の相互取引「深セン-香港ストック・コネクト(深港通)」の認可が早ければ週内にも発表されると伝わり小幅に上昇して始まった上海総合指数は、上げ幅を広げると後場に一時2.8%高まで買われました。その後も高値圏で堅調に推移した上海総合指数は結局2.4%高となり、およそ1年ぶりに200日移動平均線を回復して取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は4日続伸となっています。前週末の米国市場でダウ平均が下落したことを受けて小幅に下げて寄り付いたハンセン指数ですが、本土市場が大きく上昇したことを受けてプラスに転じると上げ幅を広げる展開となりました。後場に一時1%高近く上昇し節目の23,000ポイントに迫る場面もみられたハンセン指数は、その後も堅調に推移し年初来高値を更新する展開となっています。日本時間16時時点で金融株指数が1%超上昇しているほか、商工業株指数と不動産株指数も上げています。一方で公益事業株指数がわずかに下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、本土株上昇により運用が改善するとの期待から保険のピンアンインシュアランス (平安保険・02318)とチャイナライフインシュアランス(中国人寿保険・02628)が揃って3%以上の上昇となっています。また、好業績期待からインターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)やパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)が堅調となっています。さらにハンセン指数構成銘柄への新規採用が決まったAACテクノロジー (瑞声科技・02018)が3%以上の上昇となっています。一方で除外される食品メーカーのティンイー (康師傅・00322)は3%余りの下落となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)