マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
円高進行を受け日経平均は273円安と大幅続落で安値引け
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は273円安の1万6596円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400も下落した一方で、新興市場のマザーズ指数は小幅に上昇しました。昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことを受け、日経平均は9円高と小幅に反発して寄り付きました。寄り付き後の日経平均は夏休み期間中とあってか様子見地合いが強まり、前日終値を挟んで小動きで推移しました。10時過ぎからやや下げ幅を広げた日経平均は、前場を42円安で引けました。特段の材料は出ていないもののお昼休みの時間帯に1ドル101円程度で推移していたドル円が100円台前半まで円高に振れると、日経平均は後場寄りから大きく下げ幅を広げました。やや値を戻す時間帯もあったものの、一段の円高が進行すると日経平均も引けにかけて下げ幅を広げて結局273円安と安値引けとなりました。東証1部の売買代金は、1兆9787億円と2兆円の節目をわずかに下回りました。東証33業種は石油石炭製品のみ上昇し、残る32業種は下落しました。中でも不動産業や保険業、証券商品先物などが大きく下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)は2円安とほぼ横ばいで踏みとどまりましたが、トヨタ自動車(7203)、任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)、三菱UFJ(8306)などが軒並み下落しました。こうしたなか売買代金10位に入ったLINE(3938)は8%近い大幅高となりました。米国市場で上昇基調を強めており、日本でも上場日の初値回復目前となっています。材料が出たところでは、米調査会社が目標株価を300円とし強い売り推奨を行ったロボット開発のCYBERDYNE(7779)は7%近い大幅安となりました。一方で健康機器などを手がけるヤーマン(6630)がストップ高となりました。昨日の大引け後に今期の業績予想を大幅に上方修正したことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
100円台前半まで円高が進行したことを受け、日経平均は大幅安となりました。今夜の米国市場では、住宅着工件数や消費者物価指数(CPI)、鉱工業生産など多くの経済指標が発表されます。冴えない発表が多くなれば利上げ観測の遠のきから一段の円高が進行する可能性があり注意が必要でしょう。ドル円が100円を割り込むことがあれば市場のセンチメントはさらに悪化するとみられます。明日以降も為替動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅反落 香港市場は5日続伸
上海総合指数:3,110.04(-15.16)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,934.79(+2.28)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は3日ぶりに小幅に反落しました。小幅に上昇して寄り付くと一時0.5%高近くまで買われた上海総合指数ですが、昨日に大幅高から7カ月ぶりに節目の3,100ポイント台を回復していたことから利益確定売りが出るとマイナスに転じ一時は3,100ポイント手前まで売られる場面もみられました。結局、上海総合指数は0.5%安で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は小幅ながら5日続伸となっています。昨日の米国株高と原油価格の上昇を受けて買いが先行し心理的な節目の23,000ポイントを回復してスタートしたハンセン指数ですが、本土市場の下落を受けて急速に上げ幅を縮めると、その後は前日の終値を挟んで揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で商工業株指数と不動産株指数が上昇する一方で、金融株指数と公益事業株指数がわずかな下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、株式の非公開が臨時株主総会で承認された中国商業用不動産傘下のワンダコマーシャル (万達商業・03699)が上昇しているほか、明日の決算発表に期待する買いが入ったインターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)が連日で上場来高値を更新しています。また、9月下旬のOPEC非公式会合で生産調整への期待が高まったことでの原油高を好感してペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)やシノペック (中国石油化工・00386)といったエネルギー株も堅調となっています。一方で決算が減益となったウィーロック (会徳豊・00020)が3%を超える下落となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)