マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はFOMC議事要旨受けて早期の利上げ観測が後退し反発 日本市場は円高で反落か
NYダウ: 18573.94 △21.92 (8/17)
NASDAQ: 5228.66 △1.55 (8/17)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを急がないとの見方が強まり反発しました。下落して始まったダウ平均は昼過ぎに80ドル安余りまで売られましたが、その後下げ幅を縮めるとFOMC議事要旨の発表を受けて買いが優勢となりました。ダウ平均は結局21ドル高の18,573ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1ポイント高の5,228ポイントとなっています。
2.経済指標等
7月開催分のFOMC議事要旨では、一部の参加者が早期の利上げが必要との考えを示したものの、経済や雇用、物価動向を評価する追加情報が必要だとして利上げを見送ったことが明らかとなりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業や金融、生活必需品などの7業種が上げ、公益事業は1%を超える上昇となっています。一方で一般消費財・サービス、素材、情報技術の3業種が小幅に下げています。
4.個別銘柄動向
市場予想を上回る決算を発表したカジュアル衣料のアーバン・アウトフィッターズ(URBN)が急伸しました。また、原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)が堅調でした。一方で決算が減収減益だったうえ、業績見通しを引き下げたディスカウントストアのターゲット(TGT)や、売上高が市場予想に届かなかったオフィス用品のステープルズ(SPLS)、さらに1株利益が市場予想を下回ったホームセンター大手のロウズ(LOW)が大幅安となっています。大規模な人員削減を近日中に発表すると伝わり売られたネットワーク機器大手シスコシステムズ(CSCO)は、取引終了後に決算とあわせて5500人の人員を削減する計画を発表し時間外で一段安となっています。
5.為替・金利等
長期金利はFOMC議事要旨を受けてFRBが利上げを急がないとの見方から0.02%低い1.55%となりました。ドル円は円高に振れ100円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は反発となったものの、ドル円が円高となっていることから本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうですが、反落でのスタートが予想されるなか10日に実施されてからみられない700億円余りの日銀によるETF買いがあるのかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)