市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

1ドル100円割れの円高進行を受け日経平均は259円安と大幅に反落

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は、259円安の1万6486円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日公開された7月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が早期利上げを強く示すような内容ではなかったことから、早期利上げ観測が後退し米国市場で主要指数は上昇しました。一方で米金利は低下し、円高ドル安が進行したことから日経平均は95円安の1万6649円と反落して寄り付きました。寄り付き後の日経平均は180円安余りまで下げ幅を広げる時間帯がありましたが、日銀のETF買いへの期待もあってか徐々に下げ幅を縮めると、前場を31円安とその時点の高値で終えました。日経平均は後場に入ると一段安となり、前場の安値付近まで下げ幅を広げました。買い材料に乏しいなか日経平均は14時半過ぎから更に下げ幅を広げると1万6500円を下回り、1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1485億円と2兆円を上回りました。東証33業種はパルプ・紙のみ上昇し、残る32業種は下落しました。中でも電気・ガス業、医薬品、情報・通信業、精密機器の4業種は2%を超える下げとなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入ったソフトバンクグループ(9984)は5%近い大幅安となりました。同社の株価は7月下旬の安値から昨日までに30%ほど上昇しており、昨日発表された自社株買いの終了なども材料となって利益確定売りが進んだようです。その他の売買代金上位銘柄では、任天堂(7974)やソニー(6758)が小幅高だったもののその他の銘柄は軒並み下落しました。材料が出たところでは、呉服専門チェーンのさが美(8201)が12.5%の大幅高となりました。同社の親会社であるユニーグループ・ホールディングス(8270)が同社株をファンドに売却すると発表し、今後の経営再建への期待から買われました。一方で旅行会社のエイチ・アイ・エス(9603)が6%超の大幅安となり年初来安値を更新しました。大手証券が目標株価を引き下げたことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
円高進行を嫌気して日経平均は大幅安となりました。今後一段の円高が進むようであれば、為替介入を含めた政府・日銀の対策に注目が高まりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は小幅に3日続落  香港市場は大幅反発

上海総合指数:3,104.11(-5.44)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,037.52(+237.74)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に3日続落しました。7月の新築販売用住宅価格動向(低所得層向け除く)が主要都市70都市のうち51都市が前月よりも上昇したことが好感され、買いが先行するとしばらくして0.5%高まで買われた上海総合指数ですが、上値は重く上げ幅を縮めると後場に一時節目の3,100ポイントを割り込む場面もありました。引けにかけてやや持ち直した上海総合指数は、結局節目の3,100ポイントを回復して小幅安で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は大幅に反発しています。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を受けて早期利上げへの警戒感が後退し23,000ポイントを回復して寄り付いたハンセン指数は、主力銘柄に好業績を評価する買いが集まったことも追い風となり上げ幅を徐々に広げ一時1.7%高まで買われました。後場に入ると一時上げ幅を急速に縮め午前の上昇分をほぼ吐き出しましたが、その後は寄り付きの水準近辺で推移しています。日本時間16時時点で商工業株指数と不動産株指数が揃って1%超上昇しているほか、金融株指数も上げています。一方で、公益事業株指数がわずかに下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中間決算は減益でしたが純利益が市場予想を上回ったことから中国通信大手のチャイナユニコムホン (中国聯通・00762)が買われてハンセン指数構成銘柄で上昇率トップとなっています。また、中間決算の内容が好感されインターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700) が上場来高値を更新し、初めて200香港ドルを上回りました。同社1銘柄でハンセン指数を120ポイント以上押し上げています。保険のピンアンインシュアランス (平安保険・02318)やパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)も好決算を受けて大きく買われています。さらに、親会社による株式公開買い付け(TOB)で上場を廃止するワンダコマーシャル (万達商業・03699)の代わりに「ハンセンH株指数」に採用されるチャイナギャラクシー (中国銀河証券・06881)が堅調に推移しています。

一方で、冴えない決算内容が引き続き嫌気されキャセイパシフィック (キャセイ航空・00293)が約4%安と続落しています。また、前日大きく上昇していた小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)が利益確定売りから5%を超える下落となっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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