市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均52円高と小幅に続伸も低商い 今週はイエレンFRB議長の講演に注目

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は52円高の1万6598円と小幅に上昇しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で新興市場のマザーズ指数は下落しています。先週末の米国市場で主要指数は小幅に下落しましたが、FRB高官の早期利上げに前向きな発言等から円安ドル高が進んだことを受け日経平均は53円高と小幅に続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を縮めるとまもなく一時マイナスに転じたものの、下値模索とはならずすぐに切り返しました。その後は前日終値近辺での推移が続いた日経平均ですが、前引けにかけてやや上げ幅を広げると結局38円高で前場を終えました。材料難の様相のなか後場に入っても大きな方向感は出ず小幅高で推移した日経平均は52円高で大引けをむかえました。狭い値幅での推移となったことから、東証1部の売買代金は1兆6278億円と活況の目安とされる2兆円を大きく割り込み、8月15日以来の低水準となりました。東証33業種はその他製品や陸運業、建設業など26業種が上昇しました。銀行業は横ばいだったほか、水産・農林業や鉱業など6業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップは任天堂(7974)となり、3.1%高と堅調でした。その他の売買代金上位銘柄は上げ下げまちまちとなりました。売買代金2位に入ったトヨタ自動車(7203)や3位のソフトバンクグループ(9984)は上昇した一方で、メガバンク3行や日産自動車(7201)、KDDI(9433)などが下げています。材料が出たところでは、格安航空券の販売などを行うエイチ・アイ・エス(9603)が8%高と大きく上昇しました。子会社のハウステンボスが2016年9月期通期の入場者数が前年比並になるとの見込みを発表したことで、熊本地震による業績への悪影響が長引かないとの思惑から買いが入ったようです。また、さくらインターネット(3778)やマネーパートナーズグループ(8732)などのフィンテック関連の一角に買いが入りました。明日日銀主催で「第1回Fin Techフォーラム」が開催されることや三菱UFJ(8306)と日立製作所(6501)がフィンテックを活用した金融システムの活用に乗り出すと報じられたことなどが刺激となったようです。

【VIEW POINT: 明日への視点】
材料不足のなか小動きとなった日経平均は小幅に続伸しました。今週は26日に行われるイエレンFRB議長のジャクソンホールでの講演が注目されます。それ以外の大きな材料に欠けるなか本日のような方向感に欠ける値動きとなりやすいとみられますが、そのような状況を見越した仕掛け的な値動きには注意しておきたいところです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は反落 香港市場は続落

上海総合指数:3,084.81(-23.30)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,833.65(-103.57)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反落となりました。寄り付き直後に一時プラス圏に浮上した上海総合指数ですが、材料に乏しいなかしばらくしてマイナスに転じると下げ幅を広げ節目の3,100ポイントを割り込んで0.7%安近くまで売られました。その後やや持ち直すと一旦3,100ポイントを回復する場面もみられたものの、3,100ポイントを超えたところでは上値が重く再び下げ幅を広げる展開となりました。結局、上海総合指数は0.7%余り下落しほぼ安値引けで取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は続落となっています。買いが先行しまもなく節目の23,000ポイントを回復したハンセン指数ですが、米連邦準備理事会(FRB)副議長らの発言を受け米国の早期利上げが意識されるなか、一部の主力銘柄に利益確定売りが出るとしばらくしてマイナスに転じました。一時0.6%安まで売られる場面もあったハンセン指数はその後も軟調な推移が続いています。日本時間16時時点で公益事業株指数、商工業株指数、金融株指数、不動産株指数の4業種全てが揃って下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、米国の早期利上げが意識され米国の金利動向に敏感な不動産大手のヘンダーソンランド (恒基不動産・00012)などの香港系不動産が軟調に推移しています。また、米利上げが人民元安・米ドル高につながることから外貨建て債務の多いエアチャイナ (中国国際航空・00753)が財務負担への懸念から3%近く下げています。さらに、時間外での原油価格の下落を受けてクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)やシノック(中国海洋石油・00883)が売られています。

一方でディフェンシブ銘柄の食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)が堅調で、中間決算で純利益が二桁の増益となったチャイナバンカ (万科企業・02202)も1%近く上げています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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