マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち 日本市場は円高で反落スタートか
NYダウ: 18529.42 ▼23.15 (8/22)
NASDAQ: 5244.60 △6.23 (8/22)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はファイザー(PFE)による大型買収が好感される一方で、フィッシャーFRB副議長の雇用や物価に対する21日の強気発言を受けて早期の利上げが意識されたことや原油価格の下落が重石となり小幅に高安まちまちとなりました。上昇する場面もあったダウ平均ですが、プラス圏では上値が重く軟調な推移が目立つと23ドル安の18,529ドルと続落となりました。また、S&P500株価指数も1ポイント安の2,182ポイントとなっています。一方でファイザーによる大型買収を受けてバイオ株が買われたことでナスダック総合株価指数は6ポイント高の5,244ポイントと反発しています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちエネルギーや一般消費財・サービス、資本財・サービスなどの6業種が下げ、なかでもエネルギーの下落が目立ちました。一方で公益事業やヘルスケアなどの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
バイオ医薬大手のメディべーション(MDVN)を総額140億ドルで買収すると発表した製薬大手ファイザーは上げる場面もみられましたが、財務負担を懸念した売りが優勢で小幅に下げて取引を終えています。メディべーションは買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。また、最高財務責任者の退社が明らかとなった石油のマラソン・オイル(MRO)が大幅安となっています。一方で日本のルネサスエレクトロニクス(6723)への身売り交渉が明らかになった半導体メーカーのインターシル(ISIL)が急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は前週末比0.04%低い1.54%となりました。ドル円は100円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅に高安まちまちとなるなか、ドル円がやや円高となっていることから本日の日本市場は小幅反落でのスタートが予想されます。下落してのスタートとなりそうななか、設備投資および人材投資に取り組んでいる企業を支援するためのETFを小規模で購入しているのみで、10日に707億円購入して以来大規模には行われていない日銀によるETF買いがみられるかが本日も注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)