マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均円高を嫌気して100円安と反落
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は100円安の1万6497円と3日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落した一方で新興市場のマザーズ指数は上昇しています。昨日の米国市場は小幅に高安まちまちで材料になりにくいなか、ドル円が100円台前半まで円高に振れたことを受け日経平均は48円安と反落して寄り付きました。前場の日経平均は小幅なマイナス圏での推移となりました。前場を37円安で引けた日経平均は後場に入ってしばらくすると日銀のETF買いへの期待もあってか下げ幅を縮めるとプラスに転じ、一時65円高まで上昇しました。ただ、一時100円40銭程度まで円安に振れていたドル円が100円ちょうど近辺まで円高に振れると日経平均は急速に上げ幅を縮め、まもなくマイナスに転じました。14時過ぎに150円安近くまで下げ幅を広げた日経平均は引けにかけてやや値を戻したものの、1万6500円の節目を割り込んでの大引けとなりました。東証1部の売買代金は1兆8181億円と昨日からはやや増加したものの連日で活況の目安とされる2兆円に達しませんでした。東証33業種は電気・ガス業、医薬品、食料品などディフェンシブセクターを中心とした11業種が上昇しました。一方で保険業や鉄鋼、鉱業、石油石炭製品、機械など22業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が目立ちました。売買代金トップの任天堂(7974)、2位のトヨタ自動車(7203)、3位のソフトバンクグループ(9984)がいずれも下落しています。売買代金4位に入った小野薬品(4528)は6%近い大幅高となりました。がん免疫薬「オプシーボ」を血液がんの一種で保険適用を受けて年内にも販売する見込みと報じられたことが刺激となったようです。また、売買代金6位の商いを伴ってファミリーマート(8028)が4.3%高と大きく上昇しました。今月初旬に日経平均に採用されると発表されて以降堅調な値動きが続いています。その他材料が出たところでは、日清食品ホールディングス(2897)が5%超上昇しました。外資系証券が投資判断を一挙に2段階引き上げたことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は引き続き薄商いのなか反落しました。材料不足のなか円高進行への懸念と日銀のETF買いへの期待の綱引きのような状況となっています。本日の大引け後にドル円は一時100円を割り込んでおり、引き続きドル円を睨みながらの展開が続きそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅反発 香港市場は小幅反落
上海総合指数:3,089.71(+4.90)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,927.92(-69.99)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発となりました。上海総合指数は政府が国有企業のコスト削減に関する指針を発表したことや、先進国並みに製造業を高度化する中期計画「中国製造2025」の指南文書を明らかにしたことが好感され一時節目の3,100ポイントを回復する場面もありましたが、3,100ポイントを超えたところで上値を押さえられると上げ幅を縮め後場には再び下落に転じました。しかし、引けにかけて持ち直すと結局ほぼ横ばいで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は小幅に反落しています。売りが先行し一時0.6%安まで売られたハンセン指数は昨日の終値近辺まで持ち直す場面もみられましたが、買い材料に乏しいなか本土市場の伸び悩みもあって小安い水準での揉み合いが続いています。日本時間16時時点で公益事業株指数、商工業株指数、金融株指数、不動産株指数の4業種全てが揃って下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、決算が市場予想に届かなかったCRRC (中国中車・01766)が4%超下落しています。また、前場に上場来高値を更新する場面もあったインターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700) は利益確定売りに押され下落に転じています。さらに決算が減収となったエネルギーのホンコン&チャイナ・ガス(香港中華煤気、0003)も売られています。
一方で食品メーカーのティンイー (康師傅・00322)が3%近く上昇するなどディフェンシブ銘柄が買われているほか、不動産のニューワールド・デベロップ(新世界発展・00017)やCKプロパティ (長江地産・01113)も堅調となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)