マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均41円安と小幅に反落 イエレン議長の講演を控えて方向感出ず
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は41円安の16,555円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて小幅に下げています。昨日の米国市場で主要指数が下落したことを受け日経平均は17円安と小幅に下げて寄り付きました。日経平均は寄り付き後に徐々に下げ幅を広げると9時半頃に本日の安値となる76円安をつけました。日銀のETF買いへの期待からか、日経平均はそれ以上下げ幅を広げることはなくその後はやや値を戻し小幅安での推移が続きました。前場を42円安で終えた日経平均は、後場寄り後まもなくプラスに転じると30円高あまりまで上げ幅を広げました。ただ上昇の勢いは長続きせずまもなく再びマイナスに転じた日経平均は、その後は小幅安での推移となりました。結局1日を通して明確な方向感が出なかった日経平均は、41円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は1兆7121億円と昨日に続いて活況の目安とされる2兆円を下回る低水準でした。東証33業種は、空運業や保険業など11業種が上昇した一方で非鉄金属や石油石炭製品、鉱業など22業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入ったソフトバンクグループ(9984)は1.6%高と続伸しましたが、その他の売買代金上位銘柄は値下がりした銘柄が多くなりました。ファーストリテイリング(9983)、任天堂(7974)、KDDI(9433)などがいずれも下落しました。材料が出たところでは、リクルートホールディングス(6098)が5%超の大幅安となりました。メガバンクや取引先企業などが保有する同社の株式の売り出しを行うと発表したことで、今後の需給悪化が懸念され売られました。売り出し金額は本日の終値ベースで約2400億円の規模となります。一方で保有するリクルート株を売り出すことが発表された図書印刷(7913)は8%超の大幅高となりました。また、外資系証券が新規に「買い」でカバレッジを開始したカジュアル衣料店を展開するアダストリア(2685)は5%超上昇しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は小幅安となったものの引き続き方向感は出ず、小幅な値動きとなりました。イエレンFRB議長の講演を控えているとあって明日も同傾向の値動きとなる可能性が高そうです。ただ、薄商いを狙った仕掛け的な動きによる急速な値動きには注意を払っておきたいところです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は続落 香港市場は小幅反発
上海総合指数:3,068.33(-17.55)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,861.89(+41.11)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続落となりました。銀行が不動産向け融資の引き締めを実施するとの観測が伝わったことが嫌気され、下落してスタートした上海総合指数は下げ幅を徐々に広げると前場に一時1.4%安まで売られる場面もありました。その後はじりじりと持ち直す展開となった上海総合指数は結局、0.6%近く下落して取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は小幅に反発しています。昨日の米国株安と原油価格の下落の流れを受けて小幅に下落して寄り付いたハンセン指数ですが、中国当局が深センと香港の株式相互取引「深港通(深セン・香港ストックコネクト)」に関する準備を11月上旬までに完了するよう指示したと伝わり、年末の実施が見込まれていた「深港通」の早期実施への期待が高まり、しばらくして買い戻されるとプラスに転じました。但し、今週末にイエレンFRB議長の講演を控えているなか高値追いとはなりづらく、小高い水準での推移となっています。日本時間16時時点で金融株指数及び公益事業株指数が上昇している一方で、公益事業株指数と商工業株指数が小幅に下げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中間決算で売上高が市場予想を上回ったことに加え、一部の外資系証券による投資判断の引き上げも好感され中国乳製品メーカーのモンニュウデイリー (蒙牛乳業・02319)が買いを集め、2カ月半ぶりの高値を更新してハンセン指数で上昇率トップとなっています。また、「北京ベンツ」や自社ブランドのモデルの販売台数が急増するなど中間決算が好調だった自動車のBAICモーター (北京汽車・01958)が8%以上の上昇となっています。さらに、好決算を期待する買いが入り、コンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)が1%余り値上がりしています。
一方で、原油安に加え、中間決算が赤字に転じたシノック(中国海洋石油・00883)が1%超下落しています。クンルンエネルギー (昆侖能源・00135)やシェンホアエネルギー(中国神華能源・01088)などのエネルギー株もつれ安となっています。また、中間決算が74%減益となったテレビ局のティーヴィビー (TVB・00511)も大きく売られています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)