マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均、今夜にイエレンFRB議長の講演を控えるなか続落
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は195円安の1万6360円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下げています。昨日の米国市場で主要指数が下落したことを受け、日経平均は70円安で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げると10時頃には下げ幅を180円超まで広げて前場の安値をつけました。日経平均はその後やや値を戻し前場を107円安で終えました。特段の材料はなかったものの、日経平均は後場寄りから235円安と大きく下げ幅を拡大して1日の安値をつけました。その後は買い戻しが入り下げ幅を80円余りまで縮める時間帯もありましたが、大引けにかけて再び下げ幅を広げると結局195円安と安値圏での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆391億円と2兆円をわずかに上回りました。東証33業種は鉄鋼と化学の2業種のみ上昇し、残る31業種は下落しました。中でも保険業、輸送用機器、空運業の3業種は2%を超える下落となりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は売買代金首位のファミリーマート(8028)から、10位のファナック(6954)まですべて下落しました。中でも売買代金2位のトヨタ自動車(7203)は3%超の大きな下げになりました。売買代金11位に入った花王(4452)は昨日の大引け後に自社株買いの実施を発表したことが好感されて2.1%高としっかりでした。その他材料が出たところでは、ANAホールディングス(9202)が2%安となりました。航空機のエンジンの不具合のため多数の欠航便が出ることが明らかとなり業績への悪影響を懸念した売りが出たようです。また、ゲーム開発大手のカプコン(9697)は自社株買いを発表したことが好感され5%高と大きく上昇しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
いよいよ今夜の米国市場ではイエレンFRB議長の講演が行われます。市場では今後の金融政策について踏み込んだ発言があるのではないかとの思惑がある一方で、これまでの主張を繰り返す無難なものになるのではないかとの指摘もあるようです。また、来週は月末月初の週ということでISM景況感指数や雇用統計など米国の重要な経済指標が多く発表されます。特に雇用統計は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを実施するかどうかの最大の判断材料になるとみられることから注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は反発もほぼ横ばい 香港市場は小幅反発
上海総合指数:3,070.31(+1.98)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,924.83(+109.88)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発したもののほぼ横ばいでした。保険監督当局が保険マネーの株式市場からの引き揚げのうわさを否定したほか、国家発展改革委員会が政策論文で市場金利を一段と低めに誘導する余地が大きいなど示唆したことも好感され、買いが先行した上海総合指数は上げ幅を広げ一時0.6%高まで買われました。その後、上値追いとはならず上げ幅を縮め再び下落に転じる場面もみられましたが、引けにかけて買い戻されると結局上海総合指数は2ポイント未満の上昇とほぼ横ばいで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は小幅に反発しています。小幅に上昇して始まったハンセン指数は、本土市場の上昇を受けて上げ幅を広げ一時0.8%高まで広げました。しかし、その後本土市場の伸び悩みに加え、今夜のイエレンFRB議長の講演を前に手控える動きも出て上値が抑えられると小高い水準での揉み合いが続いています。日本時間16時時点で商工業株指数をはじめ、公益事業株指数や不動産株指数、金融株指数などがそろって小幅に上昇しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、前日の原油価格の上昇が好感されシノック(中国海洋石油・00883)などのエネルギー株が堅調に推移しています。また、中間決算が9%増益となったリソーシズランド (華潤置地・01109)が約4%上昇しているほか、証券会社による投資判断の引き上げが引き続き好感され中国乳製品メーカーのモンニュウデイリー (蒙牛乳業・02319)も5%以上上げています。さらに、保険監督当局による保険マネーのうわさに対する否定を受けて、チャイナライフインシュアランス(中国人寿保険・02628)や保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)などが大きく買われています。
一方で、中間決算で純利益が52%の減益となった商社のリーアンドフン (利豊・00494)が大幅に下落し、ハンセン指数で下落率トップとなっています。また、外資系証券が投資判断を引き下げたことが嫌気されコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)も1%近く下げています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)