マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち ダウ平均は早期の利上げが意識され続落 日本市場は円安を好感し反発か
NYダウ: 18395.40 ▼53.01 (8/26)
NASDAQ: 5218.92 △6.71 (8/26)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は3日続落となったものの、ナスダック総合株価指数は3日ぶりの反発となっています。ダウ平均はイエレンFRB議長がジャクソンホールでの講演で、利上げの条件が整いつつあると述べながら具体的な時期に言及しなかったことから、9月の追加利上げを示唆する内容ではなかったとして午前中に一時120ドル高余りまで買われました。しかし、フィッシャーFRB副議長がインタビューで年内2回の利上げの可能性に言及し、イエレン議長の講演もその考えと整合的だと語ったことから早期の利上げが警戒され昼前には下落に転じました。一時ダウ平均は110ドル以上下げる場面もありましたが、引けにかけて持ち直し結局53ドル安の18,395ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も3ポイント安の2,169ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は時価総額の大きいハイテク株の一角が堅調だったことで6ポイント高の5,218ポイントとなりました。
2.経済指標等
8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は89.8と速報値から0.6ポイント低下し市場予想を下回りました。4-6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.1%増と速報値から0.1ポイント下方修正されましたが、市場予想とは一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちヘルスケアと情報技術、金融を除く7業種が下げました。なかでも公益事業が2%を超える下落となったほか、電気通信サービスも1%以上の下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、メルク(MRK)やインテル(INTC)など9銘柄が上昇する一方で、ベライゾン・コミュニケーション(VZ)やマクドナルド(MCD)、デュポン(DD)などの21銘柄が下げました。ダウ平均構成銘柄以外では大株主の著名投資家が保有株の売却を検討していると伝わった健康食品のハーバライフ(HLF)が下げたほか、決算で売上高が市場予想以上に減ったゲーム専門店大手のゲームストップ(GME)が急落し、決算と同時に発表した業績見通しが慎重と受け止められた化粧品小売り大手のアルタ・ビューティー(ULTA)が大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は早期の利上げが意識され0.06%高い1.63%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れました。朝方は101円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円安を好感して反発してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の16,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうで、一目均衡表の転換線(26日時点で16,604円)を超えてくるような展開となるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)